特集:想起できないマリアージュを - 日本画とインテリア -

UPDATE: STAFF:ふじこ
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和の可能性に挑まんとす

西洋画と区別するために日本画(Japanese painting)という言葉が使われるようになった明治時代。

その頃は、輪郭線があって陰影がなく、薄めの色調に表現が簡素で写実を追わない、というのが日本画のあいまいな定義でした。

それから100年以上が過ぎ、多様な表現方法が用いられるようになってきた日本画。近年では使われている画材で区別するのが一般的になっているようです。

PICK UP Yuuki Sori' s Japanese painting

楚里勇己(そりゆうき)氏は、百貨店やギャラリーを中心に定期的に個展を開催しながら、今の時代の住空間を彩ることのできる作品を制作する現代日本画を代表するアーティスト。

箔や岩絵具、和紙といった伝統的な画材を使い、身近な草花をモチーフとして描きます。

かの有名な北欧ブランドのファブリックパネルのように飾ることのできるアートワークは、まさにインテリアに合う日本画。ぜひ展覧会気分でご覧ください。

イロノツラナリ

咲き誇るのは赤・黄・白の連なるポピーたち。氏が描くモチーフの中でも代表的な植物のひとつです。

金箔が高級感と華やかさを与えつつも空間に溶け込むつつましさもある。存在感のある絵画サイズ(165×50cm)には圧巻のひと言です。

クロノショウブ

打って変わって、水墨画のような静寂を感じさせるモノトーン作品。背景にはプラチナ箔が用いられていますが、色味が金属すぎて描く植物をずっと吟味していたんだそうです。

今回の入荷の中で唯一、掛け軸のように飾りたくなる縦長サイズ。和室にはもちろん、あえてモダンなインテリアに合わせたくなります。

パレット

先ほどのイロノツラナリに通じる配色でありながら、ピンクが入ることでより柔らかで親しみのある印象に仕上げられたガーベラの1点。本当に細やかに繊細にスケッチされています。

アートフレームとしても取り入れやすい絵画サイズ(33×45cm)と程よい絢爛さで、幅広いシーンにマッチしてくれそうです。

スミレハナ

エレガントで可愛らしいスミレの花々が散りばめられた作品。銀箔に紫と少しくすんだグリーンの色合いがよく映えます。ちなみに、箔を貼った土台を作るのに2週間はかかるんだそうです。

豪華さではなくどこかクールな面持ちを楽しめるところが、金箔とは異なる魅力ではないでしょうか。

シロノトケイソウ

雄しべが時計の針のように見えることからその名がついたトケイソウ(時計草)。すべての花々は、写真ではなく丹念に肉眼で観察したスケッチを基に描かれています。

しかも記憶したその時の情景や温度も込められているそう。個人的にはこの作品にある"余白"に日本らしさを感じています。

シロノハナミズキ

氏の作品モチーフとして長く描かれているハナミズキ。開花した時に凛とした空気を感じると表現される通り、花びらの白がまぶしいほどに際立ちます。

でもよく見ると淡いピンクや茶色が混じっていて、自然のままの色味を感じられる。季節が移ろう儚さもまた同時に描出されている気がするのです。

おわりに

私たちがもつ日本画のイメージを刷新するように、新たな可能性に挑む楚里氏。和を感じさせるけれど、和すぎることはなく、逆にモダンにすら思える美しい花々が咲き誇ります。

現代の暮らしになじむことを意識するからこそ生まれた独特の作風。個性的な色や構図だけでなく、こだわりは絵画サイズにまで及びます。

普通なら想起できないインテリアとのマリアージュを。氏の作品が日本画の新しい観賞の仕方を提案してくれているようです。

ところで余談ですが、落款にはいくつかパターンがあるそうで、デザインや押されている数によってシリーズや制作時期が分かるようになっているんだとか。コレクション欲を掻き立てられるポイントのひとつになりそうです。







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