根本勲 / 土龍
木彫り熊 座熊 抽象熊
北海道を代表する伝統民芸品である木彫りの熊。
今でこそ、家に木彫りの熊が置いてある家庭は少なくなりましたが、実家やおばあちゃん家に木彫りの熊が飾ってあったと記憶している方も多いのではないでしょうか。
そんなちょっと身近で懐かしい木彫りの熊。きっと皆さんが想像する木彫りの熊のイメージは、鮭をくわえ毛並みが再現されたリアルな造形を思い浮かべると思います。
本日は、私たちがイメージする木彫りの熊とはちょっと違った、独自の作家性を持った木彫り熊のご紹介です。
アートになった木彫り熊。

北海道の木彫り熊の歴史を語ればものすごく長くなってしまうので割愛しますが、木彫りの熊を語る上で欠かせない作家たちがいます。
八雲の熊彫りの第一人者である、「柴崎重行」。
柴崎重行に学び、八雲の熊彫りを後世に残した、「引間二郎」。
自らを「熊大工」と称し、腕の良さで名を上げた、「加藤貞夫」。
そして、「柴崎重行」と共に、木彫りの熊を「アート」へと押し上げた「根本勲」。

今回ご紹介するのは、木彫り熊のレジェンド・「根本勲」の手のひらサイズの木彫り熊。
「柴崎重行」と並び、木彫り熊を民芸品から「アート」へと昇華させた立役者である「根本勲」。
一概に木彫りの熊といっても、熊のポーズや表情、製作者の表現の仕方や彫り方など千差万別のバリエーションがあります。

根本勲は一般的な木彫り熊に見られる、毛並みを再現する「毛彫り」を用いず、幅の広い彫刻刀で形を整えていく「面彫り」で仕上げた作品を多く残しています。

「面彫り」は木面の形や角度、杢目を活かして熊を表現した彫り方。
根本勲は「面彫り」の技術を活かし、「毛彫り」のようなリアルな熊ではなく、抽象的なデザインで熊を表現しました。
余計な彫りを省き、少ない手数で仕上げられた木彫りの熊は「抽象熊」と呼ばれたりもします。
その個性的で抽象的な作品は、どこか愛嬌のあるプリミディブアートのよう。

ちょこんと座った熊のポーズも愛らしいですね。夕日を見上げてたそがれているようにも見えます。かわええ。
抽象的な根本勲の作品は、見る人の想像力を掻き立てるような魅力も秘めています。

熊のお尻のあたりには、根本勲の号(作家名)である「土龍」の刻印が。
「土龍」の号は彫刻家の師である「保田龍門」から与えられたものだそう。
師匠の「龍」の字を受け継いでいるのが何だかエモいですね。

木彫りの熊のブームは戦後の高度成長期にも起りましたが、人気があるのは鮭をくわえたリアルな熊ばかり。
作家性の高い「柴崎重行」や「根本勲」たちの作品は一部では評価されていたものの、木彫り熊のブームの恩恵を得ることは少なかったといいます。
しかし、近年では木彫り熊ブームは密かに再燃し、「柴崎重行」や「根本勲」たちの抽象熊は雑誌などでも特集が組まれるなど注目を集めています。
根本勲の自由な作風は素朴で力強く、アートやインテリアとしても高い評価を受けています。
愛嬌たっぷりの根本勲の抽象熊はちょっとモダンで、北欧デザインやミッドセンチュリー、古民家などにもよく馴染んでくれそう。
木彫り熊という枠だけにとらわれない、「芸術」へと昇華された、魅力たっぷりの木彫り熊となっております。











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