時代箪笥
隙間箪笥 明治期 + 水屋箪笥 時代箪笥
明治期~昭和初期にかけて日本で作られた収納家具を指す「時代箪笥」。
普段あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、国内で保存されている日本家屋や博物館等の展示スペース等で実物をご覧になったことのある方もいらっしゃるかと思います。
歴史的に重要な場所で使われていた逸品も多く、近年古民家カフェ等の店舗空間においては建物の中に現存する当時のアイテムとして、これからも大切に受け継がれて行く存在です。
本日は、推定明治期に作られたと思われる"隙間箪笥"に、多彩な機能美が魅力的な"水屋箪笥"の2点を併せてご紹介させていただきます。
まさしく、時代を感じるその佇まい。
なんといっても特徴的なのは、明らかに現代の家具とは異なるその作り。
使われている木板から金具の一つ一つに至るまで、その全てが当時の職人の手仕事によって製作されているもので、どちらの箪笥も、意匠そのものが別の次元にあると言える雰囲気を醸し出しています。
鋸や鉋で切り出され、穏やかに磨かれた木板。
絶妙な木味を残しながらも洗練された表情で、情緒が感じられますね。
金具は熱した鉄を手作業で打ち伸ばしながら成型した手工品で、重厚ながらも繊細な表情。
どれを取っても趣に満ちた逸品で、当時の職人の意匠に直接触れる事ができるという点においても、大変貴重なお品物と言えるのではないでしょうか。
こちらはスリムな幅で縦に伸びるフォルムの「隙間箪笥」。
その言葉の通り隙間に挿し込んで設置する為に作られた箪笥となっており、現在でもお部屋のデッドスペースを無駄なく活かせる"スリムチェスト"として人気を博すスタイルです。
上部に取り付けられた把手は箪笥を持ち運ぶ際に使うもので、実際に引き出して軽く持ち上げてみると、とても堅牢に作られている事がわかります。
本体は黒漆で仕上げられており、当時でも上等な逸品であると思われます。
メインの抽斗を3杯備え、最下段には鍵付きの扉が設けられた機密性のある設計。
鍵も現存しており実際に施錠する事も可能で、扉の内側には小引き出しが2杯別途で備わっています。
施錠する為の機構が扉の中にぴったりと収められた精巧な作り。
この箪笥がいかに技巧を凝らして作られたものであるかをひしひしと伝えてくれる、圧巻の完成度です。
こちら"水屋箪笥"は、主に水場周りに設置する為に作られた箪笥。
現在で例えるならば食器棚としてのイメージが最も近いかと思います。
こちらは小引き出しと引き戸を交互に備えた機能的なデザイン。
コンパクトであるにも関わらず実に多彩な収納を実現していますね。
引き戸の使い心地がとても良く、車輪がついているのかな?と思ってしまう程でしたが、こちらも職人による絶妙な手仕事によるもの。
また戸の表面には鉄の鋲が装飾として等間隔で施されており、非常にお洒落な装いです。
まさしく人々の暮らしに寄り添って作られた、民芸家具のあるべき姿を思い起させるような作品となっており、家具職人の本気と遊び心が伝わってくる佇まい、艶を増した無垢材の表情もインテリアとして魅力的な逸品です。
如何でしたでしょうか。
ご自宅用としては勿論、店舗やカフェ等のインテリアとして、お使いの空間に別格の彩りを添えてくれる一点となってくれることでしょう。
在庫限りのお品物となっておりますので、お探しの方は是非この機会にご検討くださいませ。