TENDO
Butterfly Stool
どれほど待ちわびたことでしょう。ついに、ついに、念願のバタフライスツールのブログを書ける日がやってきました。
実際のところもう説明することなんてないほど、世界中に羽ばたく柳宗理の蝶。1956年の誕生以来多くの人を魅了し続ける名プロダクトです。
が、待ちに待ったバタフライスツールのブログ。ちょっと興奮気味に綴っていきたいと思います。
蝶であり、両手であり、夫婦である
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――手遊びから生まれたものだった。そう聞いた時からずっと、この形を頭に思い浮かべてきました。
手のひらで何かを支える、というか受け止めるように合わせた両手。これがデザインのきっかけだとしたら、なんて優しさに溢れているのだろうと。
もし誰かが自分の両手の上に座るとしたら、きっと手の形をいろいろと工夫して居心地の良いようにと趣向を凝らすはず。
それを現実にしたのだとしたら、なんて人間味に溢れた温かいデザインなんだろうと。
そんな想像が独り歩きして(いや、功を奏し)、今では柳宗理と生み出したプロダクトの虜となったわけなのですが、実際は手遊びではなく紙遊びでした。
紙を切ったり、折ったり、曲げたりしているうちにたどり着いた形。でもきっと自らの手からヒントを得たんじゃないかとこっそり思い続けています。
ただ、同じ形の2枚の成形合板をつなぎ合わせた人工物でありながら、自然のもののように見えるのもまた事実。だからこそバタフライの名を冠しているわけです。
この有機的なデザインを実現したのは、天童木工の高い技術があったから。技術者と共に作ることを大切にした氏の想いがその根底にあります。
そして、スツールでありながら使い道は座るだけに留まりません。腰掛け以外に、バッグや本を置いたり、トレーをのせてサイドテーブル代わりにしたり、はたまたただオブジェのように眺めてみたり。
場所や用途を限定しない点において、「使われるための美しい形」という用の美を存分に感じて頂ける逸品です。
ちなみに、左右対称の板が支え合うさまから、結婚祝いに選ばれる方も多いんだそうです。
もしかしたら、作られた当時には考えられなかった(考えていなかった)さまざまな要素が絡み合って、より高く羽ばくことになったのかもしれません。
蝶であっても両手であっても夫婦であっても、すべては二つが組み合わさって一組となる番(つがい)。なんてまた考えてみたりして。
愛してやまないバタフライスツール。もうこのスツールからは逃れられないみたいです。