TENDO
Butterfly Stool desgined by Sori Yanagi
スツールと聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか。そもそもスツールって何?という方も多いかもしれないですね。
スツールとはズバリ、腰掛けるための座面に、脚が付いたシンプルな腰掛け椅子です。
背もたれがない分、椅子よりも構造は簡潔で、僕はどちらかといえば実用的な道具兼家具という印象を持っています。
そんなスツールのイメージを、良い意味で裏切ってくるのが今回の一脚。
天童木工の「バタフライスツール」です。
二枚の木が中央で向かい合い、左右へ大きく広がるその姿は、まるで蝶が羽を広げているよう。
ただ腰掛けるための家具として見るには、あまりにも印象的なフォルムです。
二枚の木から生まれる、美しい曲線

デザインを手掛けたのは、日本を代表するプロダクトデザイナー・柳宗理。
1954年に発表されたバタフライスツールは、柳宗理の代表作として現在まで長く愛され続けています。

その特徴的な形を実現しているのが、天童木工の成形合板技術。
薄く加工した木材を重ね、型に沿わせて立体的に成形することで、平らな板から美しい曲面をつくり出しています。

そして、その成形合板を二枚組み合わせる。
構造だけを見れば、とてもシンプルです。
それなのに、正面から見れば蝶のような左右対称の姿になり、角度を変えて見ると、木の曲線が立体的に浮かび上がってくる。
「木を使ったスツール」というよりも、木そのものを使ってひとつの造形をつくったような感覚があります。

面白いのは、これが1954年に生まれたデザインだということ。
半世紀以上前につくられたものですが、実物を見ると、いわゆる「昔の家具」という印象はあまりありません。現代のデザインにも十分通用しているというか、勝てないというか...(笑)

装飾を足して華やかにするのではなく、木の曲線や構造そのものをデザインとして見せているからでしょうか。
その普遍的なデザインは国内だけに留まらず、ニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめとする世界の美術館にも収蔵されています。
日本のモダンデザインを代表するプロダクトとして知られているのも、実物を見れば納得できる一脚です。

今回入荷したのは、メープル材を使用したモデル。
明るくすっきりとした色味によって、特徴的なフォルムがより軽やかに感じられます。
深みのある木製家具と合わせれば空間に柔らかなコントラストを加えられますし、北欧家具やナチュラルなインテリアの中に置いても自然に馴染んでくれそうです。

もちろんスツールなので、実際に腰掛けて使うこともできます。
玄関先やリビングの片隅に置いて、必要なときだけ腰掛けとして使うなど。
以前、名古屋のアメリカン アンティークショップを訪れた際には、USのサイドボードの前にこのバタフライスツールが、いい意味で雑にぽんと置かれていました。
その姿がとても格好良く、スツールとして使うだけでなく、そこに置いてあるだけでも空間の雰囲気をつくってくれる家具なのだと感じたのを覚えています。
シンプルな構造だからこそ、特徴的な曲線や木の表情が際立つ。
1954年に生まれたバタフライスツールは、今の暮らしの中でも変わらない魅力を感じさせてくれる、日本を代表する名作スツールです。































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