Remake Stool
近年流行の兆しを見せる“リメイク”。
本来のプロダクトには無いちぐはぐな歪みは時に温もりを感じさせます。
その魅力はただ異素材を組み合わせるだけで生まれるものではありません。
個々の魅力が寄り集まることで生まれる新しい魅力。
本日ご紹介させて頂くのはそれぞれ異なる古材で組み上げられた逸品です。
荒々しさと丁寧な手仕事の混在
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壊れた箇所に新たなパーツを与え、直す。
つぎはぎながら使い続ける。
本来のリメイクは物を想う気持ちから始まったのではないでしょうか。
ゴミや古材を利用し新たな命を与えることをテーマに作品を手掛けるアーティストもいるように、リメイクには消費社会に対するメッセージがつき纏います。
左右異なる素材や色で再構成された洋服を多く見かけるようになった近頃。
最早リメイクは表現や延命措置ではなくひとつのスタイルとして認知された様に感じます。
しかしそれらは予めダメージを加えられたデニムの様に味気無さを感じさせるのも事実。
長く使われた後に新たな命を与える。
リメイクの魅力はそれぞれが持つ元々の表情と現在の姿の両方を持つ点にあるのではないでしょうか。
そうは言ってもこのスツールを手掛けたアーティストやメーカーは不明。
リメイクの際に与えられた理由やそれぞれの古材の元の姿は想像するしかありません。
だからこそ魅力的なのが構造とパーツから見える丁寧な作りと活かされた個性。
荒々しさと丁寧な手仕事の混在はバランスを保ち、高いセンスをも感じさせます。
木材の元々のヒビや欠け、節目。
使われた後付いたであろうダメージ。
そしてペイントされた箇所や経年で剥がれ所々杢目の現れた箇所。
これらがそれぞれの経緯を容易に想像させます。
力強い個性を放ちながらも保たれたスツールとしてのバランス。
各パーツの接合部を見ると分かるように丁寧な方法で組まれている事が分かります。
これが綺麗なフォルムと素材の個性の両方を引き出します。
各接合部の処理方法もポイント。
ネジ穴を木ダボで隠しており高い美意識を感じさせます。
見た目の格好良さからリメイク風の家具も多く見かけるようになりました。
先述した通りただ切って貼るだけではリメイク本来の魅力は生まれません。
表面的な美意識と使い捨ての消費が当たり前となった今、改めて見直し伝えたいのが本来の意味でのリメイクだと思うのです。
奥底に眠る再構築の格好良さを身近に感じて頂けます。