北海道民芸家具
ドレッサーチェスト
昨日の、帰りの寒さが嘘のように暖かい今日の日。
冬の寒さをいつの間にか忘れ、気が付けば今年もつばめの来訪を楽しみにしてゆくのでしょう。
普段であれば意識することのあまり無い、わたしたちが暮らす日本の美意識。
それを強く感じさせてくれる名品が入荷致しましたので、ご紹介させて頂きます。
丁寧
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今、日本の暮らしは和家具と洋家具が入り交ざっています。
自分たちが生まれた時からそうであったから、改めて言うまでもありません。
しかしいつの間にか溶け込み、進歩してゆくように感じるその裏で、代わりに衰えてゆくものがあったとするならばいかがでしょうか。
今回のプロダクトは日本の民芸家具の代表とも言える、北海道民芸家具によるもの。
はみ出し過ぎず、極端すぎない端正なフォルムです。
北海道民芸家具は、柳宗悦が提唱した"日本の暮らしの中の美しさを再発見する"という事に共鳴して生まれたブランド。
技術が進歩するにつれて、大量に生まれたのは安価な規格品。
現在ですら「安かろう悪かろう」という言葉が残っているのですから、宗悦の提唱当時はさぞ「消耗品」とは名ばかりの粗悪品に目をしかめていたことでしょう。
日本だけではなく海外からも品物は押し寄せ、丁寧な仕事をする人々が良し悪しを知られる事無く廃業してゆく。
長い歴史、世代を重ねて積み重なった手仕事を現代に生かせる形が欲しい。
声に出した人こそ宗悦でしたが、同じ事を思う人が日本にいたからこそ家具という形になり今に残っているのです。
今回はドレッサーチェスト。
91.5 × 43センチと大きすぎない天板、その上には幅いっぱいの鏡が据え付けられています。
面取りの加工を行った鏡には、高品質なジャパンビンテージで見かけるミエミラーの文字が。
良い仕事が繋がっているのを感じます。
衣料をたっぷりと収納できる3杯の抽斗に、開き戸の収納。
底にはトレイが備わり、化粧品のボトルなど高さのあるものをひとまとめに出来るよう工夫されている事が分かります。
引きだすときに中の瓶を倒さぬよう、入口には角度を抑えるダボが付いているのは日本らしい心配りです。
そして一目でわかってしまう、艶やかな木目。
樹齢150年を超える樺の木を、丁寧に乾燥させて浮き上がる木目は生命力にあふれています。
勢いのある木目が雰囲気を壊さぬよう、紫味を含んだ濃色の塗装は上品な雰囲気。
無駄な装飾を施さない「用の美」を、これ以上なく引き立てる組み合わせになっています。
北海道民芸家具の設立に際して、職人が教えを乞うたのは同じく老舗の松本民芸家具。そしてロゴマークは芹沢銈介によってデザインされました。
一つの想いに共鳴する人々が集い、繋がった流れは太く、かけがえのないものと相成りました。
同時入荷の
スツールを使えば、そこには落ち着きのある、あなただけの素敵な空間が出来上がります。
丁寧なつくりだからこそ纏う「品格」。是非ご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか。