北の住まい設計社
Pine × Glass Cabinet
卒業してからもう何(十)年も経つけれど、小学生の頃の思い出は未だに鮮明に覚えています。
ホタルを養殖したり、学校終わりに何日もかけて赤土でかまどを作る行事があったり、運動会では生徒全員参加の全校リレーがあったり。
今思うと都会では体験できない有意義な体験をたくさんしていたのかもしれません。でも、そんな思い出の詰まった母校も数年前に廃校になってしまいました。
大地の恵みを、余すことなく
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大人になってから訪れることはほとんどないけれど、それでも自分が通っていた学校がなくなってしまうのは寂しいもの。
時代のせいもあって閉校や廃校は増えていて、ただそれと同時に使われなくなった学校を再利用するプロジェクトも盛んに行われているそうです。
北海道、東川町。日本五大家具産地のひとつでもある旭川に隣接するのどかな町で家具を製造する、北の住まい設計社(KITANOSUMAISEKKEISHA)。山奥にあるその作業場はもとは学校でした。
緑に囲まれた自然豊かなその場所には、以前の廃れた建物も荒れた土地の面影はありません。今では同社のシンボルとなっています。
まさに創業するその時から大切にされてきた「永く使うこと」「自然のリズムと共に生きること」という2つの想いが注がれていることを実感できるプロダクトたち。
とりわけこのガラスキャビネットが美しく見えるのは、素材、つくり、佇まいのすべてに丁寧さが感じられるからでしょう。
こだわりは、北海道産の木材を使ったものづくり。現在は広葉樹に限定されているようですが、今回は針葉樹であるパイン材が主材となった廃番アイテムです。
産地を限定することで木材によっては入手が難しくなるのは必然のこと。ヨーロッパのカントリー家具に代表されるパイン材とは異なる強く杢目が出た木質こそ、貴重な樹種の証なのかもしれません。
もともと食器棚として使われていた1台。幅85cm、高さ145cmと比較的存在感のあるサイズで、食器棚としては十分な収納力を誇ります。
もちろん本棚やガラス扉を活かした飾り棚としてもご使用可能です。棚板の高さも変えられますし、仕切り板付きの抽斗には小物を分類しながらしまうこともできます。実用性も申し分なし、です。
もしも母校が廃校になって、その後新たな役割を担う場所として再生していたら?そして、もしもそれが自然の恵みを暮らしの道具に生まれ変わらせる作業場だったら?
思い出の場所の形が変わってしまっても、その場所に愛情をもって大切に使ってくれるだけでたぶんきっと誇らしく感じられると思います。
北の大地から、北の豊かな自然を届けてくれる北の住まい設計社。生み出す家具には、細部だけでなくすべてに美しさが宿っています。
天然木の温もり、すっきりとした佇まい、そして丁寧な手しごとが生む安心感を余すことなく実感するには、きっと長く使う以外に近道はありません。