九州民芸家具
ミズメザクラ 食器棚
民芸家具の代表ともいえる松本民芸家具にルーツを持つ『九州民芸家具』。
高品質な素材と一流の職人の手仕事によって作られる、高級志向の本物の家具として名高き品です。
本日ご紹介するのは、美しいミズメザクラを使用した九州民藝家具の食器棚。
民藝品の名に恥じぬ、『用の美』を持った逸品です。
民衆による、民衆の為の道具
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民衆的工芸=『民藝』。
民衆が生み出し使用した工藝に、美のみならず、深い精神性や宗教的真理を見出した、民藝運動の祖・柳宗悦らが生み出した言葉です。
伝統的な技を持つ無名の職人により作られた民衆の為の工芸であり、地域の暮らしに根ざした独自の色や形が現れたものが『民藝品』と呼ばれています。
「下手物(げてもの)」と呼ばれ、正しい評価のされていなかった『民衆による、民衆の為の道具』に目を向け、再評価のきっかけを作ったその功績は計り知れません。
『つくし工芸(北九州民藝家具)』は、昭和36年に松本民芸家具の九州地区販売店として発足。その後、袂を分かち独立した会社です。
作られる家具には『九州民芸家具』のシールが貼られており、樺や欅といった高級木材を使用したものが多く見られます。
積極的に機械技術を取り入れた北海道民芸とは違い、クラフト感の強い剛健質実なデザインが特徴です。
こちらはミズメザクラを使用した150×174の大容量食器棚。
上部にはガラス引き戸の収納となっており、棚板は左右8枚。棚を支えるダボもネジ式の丈夫なものが備わっています。
ガラスを活かし、お気に入りのコレクションを収めるショーケース的な使い方も。
下段は木製の戸です。普段見えない部分ですので、生活感の出る雑多な物を収納するのに便利。
格子状の装飾が民芸家具らしい趣を感じさせます。
また、中段には浅型の引き出しも備わっており、カトラリー等の小物の収納にも対応してくれます。
和家具らしい高さ174cmという、近年の食器棚から見ると低めの設定も魅力。
上部に軽めのカゴ等を置いた場合にも取り出しやすく、空間を無駄なく使えます。
狂いの無い丈夫な造りや、棚板の枚数の多さ。
掴み易い把手の形状。
何の為に使うのか明確で無駄のないデザインは、まさしく民芸品と呼ぶに相応しく、美術品とは違う『生活道具としての美しさ』を感じさせます。
2009年に惜しまれつつも工房は閉鎖し、九州民芸家具の生産は終了。現在では中古市場でしか入手が出来ない稀少な品となりました。
日本人のアイデンティティともいえる、モノづくりに対する技術力の高さが滲み出る上質な造り。
松本民芸をはじめとする民藝家具との相性は言うまでもなく、納めた和の器の雰囲気も底上げしてくれるお品物です。