vitra
Lampe de Bureau
アングルポイズ、トロメオ、ジェルデ、ティチオ、Zライト…。
デスクライトの名作はたくさんありますが、アームがないデザインというのはあまり思い浮かびません。
角度調整とは異なる視点の“ 機能性 ”を重視して作られたプルーヴェの照明。これもまた名プロダクトだと呼ばずにはいられないのです。
プルーヴェの機能性
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「ランプドビューロ | lampe de Bureau」。直訳すると机の照明。
このド直球すぎる名称は、フランス・ナンシーにあるシテ大学の学生寮のためにデザインされた家具のひとつだからでしょうか。
誕生は1930年。その後、限定生産という形で登場することはあったものの、正式にvitra(ヴィトラ)社のラインナップに加わったのは2019年でした。
長い間製品化を待ち望んだ方も多かったことでしょう。オリジナルの色調に基づいたカラー展開も嬉しいニュースだったに違いありません。
さて、金工職人としてキャリアをスタートさせ建築家、デザイナー、エンジニアと多方面で活躍した、 Jean Prouve(ジャン・プルーヴェ)。
部材ひとつひとつの構造を知り、素材に従う。その素材がもつ率直な形が息づくデザイン。それが彼を「構築する人」へと押し上げていきました。
氏の建築や家具、インテリアアイテムが時を越えて多くの人々を魅了し続けるのは、頑健でありながら愛らしい佇まいが構築されているからこそ。
それはこのデスクランプにもしっかりと表れています。
1枚のスチール板を折り曲げて形作られたシンプルな構造。ミニマムなフォルムのシェードから背面へ、そしてベースへと反射する光源。
フレームごとライトとしての役割を持たせることこそが、プルーヴェの機能性。ふわりと柔らかい灯りが心地よくデスクを照らします。
タスクライトとしては少し光量が少なく感じられるかもしれません。それでも、手もとに優しく落ちる光は集中するのにはきっと十分。
何よりこの美しいデザインが、デスクの上、サイドボードや収納棚の上、ベッドサイドや窓辺などさまざまなシーンで佇む姿を想像するだけで、嬉しくなります。
約90年もの間製品化されなかったにも関わらず、そんな昔に生まれたとは思えないほど現代に溶け込むランプドビューロ。
ミントカラーのソフトな灯りが、きっと洗練されたインテリアを構築してくれるはずです。