vitra
Fauteuil Direction Pivotant
本日は「モダニズムの父」として知られるフランスのデザイナー、ジャン・プルーヴェ(Jean Prouve)が生み出した、暮らしに溶け込むベーシックなフォルムデザイン" ヴィトラ / vitra "『 フォトゥイユ ディレクション ピヴォタン 』のご紹介♪
その普通に座る

ジャン・プルーヴェ(Jean Prouve)は、合理的かつ洗練された家具を数多く生み出した20世紀デザイン語る上で欠かす事の出来ない巨匠デザイナーのひとりです。また最先端の技術を組み合わせたモダン建築を生み出す建築家として・・・。大学教授やフランス・ナンシー市の市長を勤める等、自らの才能を他分野に発揮し様々な顔を持つ事でも知られています。
1934年に誕生した『 スタンダードチェア 』が最も有名で、同じく後の代表作として知られる事になる「 EM テーブル 」と共に、1950年頃に行われた熱帯地方において組立や解体が可能な住宅プロジェクト「メゾン・トロピカル」にて発表されました。

こちらはプルーヴェが1951年にフランス企業の為にデザインした椅子をヴィトラ社が復刻した、プルーヴェ作品としては珍しい回転式ワークチェアです。
デザイナーズの名作オフィスチェアは、ダイニングチェアやソファと比べると限られてくる為、すぐに思い浮かぶのは「アーロンチェア」や「セイルチェア」や「アルミナムチェア」等ですが、今回のプルーヴェが生んだ名作は、そのどれとも違う個性。
まず目が行くのはナチュラルオークの無垢材で作られ、思わず手で撫でてしまうアーム部でしょうか。ホームユースの場合、「オフィスチェアの無機質感、どうしようか?」と悩みどころですが、その最初の問題を一発で解決してくれるのは、やはりパーツに木材が使用されているという点。最終的にはオフィスチェアならではの隠されたギミックにも意識は行くものの、家で使う道具はまず見た目が重要です。

他の名作椅子と比べるとサイズ感はコンパクトで、フォルムもシンプル。厚みのある背座のクッションも、余計な説明が不要な安心感が感じられます。
フレーム、アーム、キャスター等の複数のバリエーションがありますが、特に張地の種類は豊富。今回はブラウン系の本革が使用され、ナチュラル色のウッドアームとの心地良いカラーバランスを生み出しています。

また暮らしに溶け込むアースカラーのアームと張地に対して、その他の人工パーツにはディープブラック塗装が施され、全体の印象が甘くなり過ぎないメリハリを加えています。
塗装により強調されるフォルムデザインのシルエット。特に5本のフレームからなる斜めのアウトラインがきいた脚部からは、スタンダードチェアや、他のプルーヴェ作品とも共通する世界観が感じられます。
座面の回転、昇降機能等のオフィスチェアの基本機能に加え、ユーザーの体重や動作に合わせて背もたれが後傾するチルト機能を備えています。座面下のつまみを回すとテンションの強弱が付けられます。
多機能オフィスチェアの様な複雑な構造を理解しなくても、感覚的に操作できる限られた機能は日常使いに最適です。

ホームとオフィスの中間的な作業空間を意識したかの様な造形と機能のバランスが取れた美しいデザイン。座らずに遠くから眺めているだけでも、絵的な美しさを肌で感じる事が出来ます。
「美しくて当たり前」「使いやすくて当たり前」
そう語り掛けているかの様に静かに佇む1脚。普通の事を普通にしているその椅子から、合理的で洗練された" プルーヴェの特別 "が伝わってきます。











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