vitra
Panton Chair
空のような目の覚めるブルー、海のような深みのあるブルー。青色といってもさまざまな色合いがあります。
薄いものも濃いものも全部合わせればきっと200種類は超えるはず。たぶん白の色数にだって負けません。
その中でもビビッドさを残しつつやや暗く落ち着きを感じられるブルーが今回の主役。日本の伝統名で群青とか紺青と呼ばれる色味です。
愛すべきディープ・ブルー


色彩の魔術師、Verner Panton(ヴェルナー・パントン)の代表作のひとつ「パントンチェア | Panton Chair」。じつは、見た目のシンプルさからは想像もできないほどの難物でした。
というのも構想から開発メーカー探しに4年。vitra(ヴィトラ)と出会い製品化までにさらに5年。そこからさらに素材を変え作り方を変え、最終的な量産化にたどり着いたのは1999年。完成形ができあがるまでなんと40年もかかった(苦労人ならぬ)苦労家具です。


でもその甲斐あって今では価格を抑えつつ、また椅子としての強度や使用感にも問題なく、たくさんのカラーバリエーションを世に送り出すことができる。
これは現在の量産化実現を目にすることなくこの世を去ったパントンにとっても念願で、毎年のように新色や限定色が発売され色彩にあふれていく光景は、彼の目に嬉しく映っていることでしょう。



今でこそ淡い色やくすんだ色も作られるようになりましたが、もともと60~70年代にラインナップされていたのは、白&黒をはじめレッドやオレンジ、ブルーやパープルといったビビッドなカラーリング。
こちらのブルーは質感こそマットながら、おそらくその頃に製造されていた青味に近い色合いで、当時流行していたスペースエイジデザインを反映したエネルギッシュさを感じられる気がします。


流線形のシルエットは光と影が色味の濃淡を自然と生み、単色とは思えないディープな青を作り出す。カラーとデザインが融合するさまはポップという言葉が失礼に思えるほど本当に美しい。
しかも妻のマリアンネ曰く、独特の色彩感覚をもつ氏がとりわけ好んだ色は青だったそう。なんて聞くと、なんだか青が特別な色に見えてくるから不思議なものです。しかも廃番カラーとなればなおさらです。


プラスチックによる世界初の一体成形型チェア。もはや家具というより座れるアートと呼ぶべきかもしれませんが、そのデザインの秀逸さは歴史や知名度によってこれでもかと証明されていますのでここではあえて触れません。
それでも色を愛したデザイナーがあらゆる色を反映できる素材(FRP・硬質ポリウレタン・ポリスチレン・ポリプロピレン)を次々に開拓できる時代に生まれたのは、偶然ではなく必然のように思います。
やっぱり原色こそがザ・パントンカラー。とりあえずパントンの魔術に任せて、インテリアに色を入れてみる。色彩にこだわってみる。そうすればきっと独自の世界観を発見できそうです。











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