Vitra
Noguchi Coffee Table
空間にほんの少し、和の雰囲気や侘び寂びが漂うだけで何故か心がすっと安らぐような、そんな経験はないでしょうか?
このテーブルを見たとき、まるで空気までもが静まり返るような、日本的な美意識に包まれた気持ちになりました。
上手く説明できないけれど、何か心に響くものがあって、嫌いな人はいないんじゃないかと思うほど。
本日ご紹介するのは世界的デザイナーが生み出した、和を感じる名作テーブルのご紹介です。
静けさを纏う彫刻

今回ご紹介させていただくのは、スイスの家具メーカー“ヴィトラ Vitra”社より名作“ノグチ コーヒーテーブル Noguchi Coffee Table”。
デザインを手がけたのは、日本人の父とアメリカ人の母を持ち、彫刻作品から家具デザインに至るまで創作の架橋を繋いだ彫刻家“イサム・ノグチ Isamu Noguchi”。
彼は「Everything is sculpture(すべては彫刻)」という信条を掲げ、家具もまた彫刻的な思考でデザインされた多数の名作を残しました。

このテーブルは、1939年にニューヨーク近代美術館(MoMA)の創設者“A・コンガ・グッドイヤー”のためにノグチが制作したローズウッドとガラスのテーブルが原型だそう。
同年、英国のデザイナー“ロブス・ジョン・ギビングス” による無断での利用から「その3本脚なら誰でも作れる」と言われたことへの“リベンジ”として、より彫刻性の高い作品を独自に生み出しました。
その後の1944年、妹への贈り物として制作したガラス天板のテーブルが、当時ハーマン・ミラーのデザイナーだった“ジョージ・ネルソン”の目に留まり、1947–48年に正式発表されました。
米国ではハーマン・ミラー、欧州と日本ではヴィトラによって現代でも製造・販売が続けられています。


厚手の強化ガラス天板と有機的な曲線を描く木製脚が組み合わさったシンプルなデザインが特徴的なこちらのテーブル。
ガラスが宙に浮くように支えられた脚部は、釘やネジを使わずインターロック形式で組み立てられ、その構造自体が“使える彫刻”と評されています。
また、丸みのある天板と木の有機的な構造は日本の“ちゃぶ台”を連想させ、懐かしさや「侘び寂び」の不完全さ・自然の美を体現しているようにも思います。


今回入荷したモデルは、オイル仕上げのウォールナット材仕様の一台。
落ち着いた赤みのあるブラウンによって、材の木目や曲線美が彫刻的な印象を与え、落ち着いた佇まいを演出。
洋室はもちろん、和室にも合わせやすく、様々な空間やインテリアスタイルに合わせやすいかと思います。

素材の質感、形、空気感。まるで“静けさを纏った彫刻”が、いつもの暮らしにそっと寄り添うようなイサムノグチのコーヒーテーブル。
自身もこのテーブルを最高傑作と評価していたそう。
今尚多くのシーンで特有の雰囲気を放ち続けている、テーブルデザインの最高峰と言える名プロダクトです。











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