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TABOURET HAUT
このスツールがもし人間だったら、たぶん職業はモデルです。スカウトされないわけがありません。
それほどまでにこれは抜群のプロポーションだ!と感嘆しました。
美しい杢目をまとったナチュラルな木肌にすらりと伸びる美脚。そして写真ではいまいち伝わりづらいですが背(座高)の高さ。
スタイルが良すぎて、正直どう座ればいいんだろうと疑問に思ったほどです。
背高のっぽの足長さん
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直訳すると高いスツール、つまりハイスツールを意味するフランス語「TABOURET HAUT」。
インプションでは「タブレ・オウ」と紹介していますが、「タブレ・ウ」だったり「タブレ・オ」だったりどうも日本語読みは統一されていないようです。
デザインを手掛けたのは、建築家やデザイナー、エンジニアなどさまざまな顔をもつフランスの"建設家"、Jean Prouve(ジャン・プルーヴェ)。
氏の哲学は合理的で無駄のない構造を追求すること。ものづくりにおいては自らの頭脳と手を惜しみなく使うa factory manでした。
中でも座った時に最も負荷がかかるのは後脚、という椅子の本質を捉えたことで生まれたのが飛行機の翼のような三角形の脚部。
その脚を用いた最も有名な椅子こそがスタンダードチェアです。まさにプルーヴェならではのデザインといえるでしょう。
さらにその後、スツールに応用した「タブレボワ | Tabouret Bois」が作られ、それに続くシリーズとして1942年にこのハイスツールが誕生しました。
脚に三角形の部分はありませんが、同じ幅広のデザインがモチーフになっていることは間違いありません。
実際に座ってみると、その安定感に皆さんもきっと驚くはず(私はけっこう驚きました)。言うなれば、背の高さを感じさせない揺るぎのない直立。
持ち上げて動かすことのできる重量なのに、座った時にはピタッと床に吸い付いているかのような確固たる座り心地を実現しています。
本当は堅牢なオーク材のことやキラキラ輝く(滑り止め)フットレストのことにも触れたかったのですが、長くなりそうなので今回はここまでにしておきます。
でも、すべての情報を網羅せずとも、この美しいプロポーションを目にしただけできっとプルーヴェの哲学を感じられるはず。
いつもより高い場所から見渡したり見下ろしたりするのもたまには良いかもと思って頂けていたら幸いです。
(ちなみに人だけでなく、ペットにもお花にも照明にも読みかけの本にも安心してお座りいただけそうです。)