Jean Prouvé
Chaise Tout Bois
工業デザインに於ける草分けの一人であり、世界的な知名度を持つジャン・プルーヴェ。
「スタンダードチェア /Standard chair」を始めとする、合理的かつシンプルなデザインを数多く世に生み出してきました。
今回は、同氏が生涯にわたって残してきた家具の中で、唯一のオールウッドのチェアをご紹介。
現代によみがえる名作チェア
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今から80年以上も前の1941年にデザインされたこちらのチェア。
第二次世界大戦の最中で世界的に金属不足だった当時、それに代わる物を編み出す必要がありました。
その解決策として、彼は木材のみを使用した“シェーズ トゥ ボワ / Chaise Tout Bois”を完成させたのです。
フランス語でオール ウッド チェアという意味を指す “シェーズ トゥ ボワ / Chaise Tout Bois”は、
同氏が手掛けたチェアの中でも、唯一木材のみで造り上げた作品となります。
戦前の1934年デザインされた、同氏を代表するプロダクトの「スタンダードチェア /Standard chair」の、三角形のフォルムをした脚を応用したようなデザイン。
同氏の建築とも共通する特徴がこの椅子にも反映されています。
さらに、金属フレームのスタンダードチェアと比べ、こちらのチェアは全て木製なだけありとても軽い。
金属フレームを使用したスタンダードは、安定感・安心感はあるものの、金属なりの重みがありました。
対して“シェーズ トゥ ボワ / Chaise Tout Bois”は、軽量な分とても扱いやすく、使用の際に発生する生活音も減少されたことにより、実用性が格段に上がりました。
当時は木材すらも不足しており、入手可能な木材の中から選ばざるを得ませんでした。
そんな中、構造的な強度や快適性などのテストを重ね、試行錯誤の上に誕生した“シェーズ トゥ ボワ / Chaise Tout Bois”。
着座時に、フレームと座面の結合部に大きな負荷が掛かるため、三角形の脚を頑丈なフレームで補強。
その補強部分で全体への荷重を支えるといる合理的な設計に基づいています。
当時は、ある材料のみで制作されていた“シェーズ トゥ ボワ / Chaise Tout Bois”でいたが、
戦後の木材の供給が十分に整った段階で、オーク材を主材に製造をすることが決められました。
オーク材は椅子の材料としての硬さや強度といった耐久性が申し分ない材料であると同時に、ナチュラルで美しい杢目は、デザイン性をさらに際立たせる役割を果たしました。
こちらは、2020年にスイスを代表する老舗家具メーカー” ヴィトラ / Vitra “社によって復刻されたものとなります。
金属(ネジ等)を一切使用せず、1941年に設計された仕様を忠実に再現。
当時の仕様はそのままに、大きさや座面の高さなどは現代の生活に合わせてリサイズされているそうです。
シンプルで上品なスタイルは、同氏の先品の中でも唯一無二の存在感。
オーク材の凛とした雰囲気やきめ細かい木肌などデザインのみでなく上質な木材を使用し、しっかりとリバイバルされている事が伝わってくる名品となります。
合理的で美しいシルエットは最高の工業製品として評価されるのも納得の逸品です。
今回は大変良好なコンディションでの入荷となっておりますので、お探しの方は是非ご検討くださいませ。