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Gueridon
1930年代のフランス。
ル・コルビュジェやピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンといった巨匠と共に時代を築いたジャン・プルーヴェ。
スタンダードチェアやコンパスディレクションを筆頭に美しい名作を残しています。
家具デザインを手掛けながらも建築家、エンジニアという肩書を持っていたプルーヴェ。
しかしながら彼に関する情報は少なく、手掛けたであろう作品数も少ないことから謎のデザイナーとしても知られています。
本日ご紹介させて頂くのはそんな名デザイナーが残した美しいテーブル。
ゲリドンテーブルのご紹介です。
飽くなき探求とものづくりへの熱量
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フランスの建築生産の工業化に大きな役割を担ったジャン・プルーヴェ。
誕生は今から一世紀以上も前の1901年のフランス、パリ。
彫刻家の父を持ったプルーヴェは生まれながらにしてものの見方や考え方を教わった様です。
父の影響を受けたプルーヴェはその後金工職人としてキャリアをスタート。
新素材や新技術により、デザインが盛り上がっていた時代でした。
ミース・ファン・デル・ローエ、シャルロット・ぺリアンらが曲木やアイアンパイプを用いたデザインを手掛け多くの名作が産み落とされた時代。
プルーヴェ自身も現代芸術家協会に所属しておりル・コルビュジェやシャルロット・ペリアンとも親交が深かったそう。
しかしながらプルーヴェは新素材や新技術を主軸としたデザインを残さなかったそう。
自身の手で加工し仕上げるといった手法に熱中し独自のデザインを追求していたのです。
1930年代。
周囲のデザイナーや建築家が新素材や新たな加工法に夢中な中、プルーヴェは独自の哲学を持ってデザインを続けました。
材料の特質を自らの手で引き立てる。
この思考は父譲りと言われており、デザインに対するこの熱量が他に無い名作を生み出したのかもしれません。
ゲリドンテーブルはそんなプルーヴェがデザインを手掛けた名作の一つ。
デザインは1949年、パリの大学の食堂用に手掛けられました。
特徴は丸い天板に中心から広がる3本の脚。
そして彼の構造美を象徴するかのような美しいフォルム。
木材を主材として活用することで生まれるたっぷりとした質感は見事なデザインにより調和され、圧倒的なデザイン美を感じさせます。
建築からインスピレーションを受けたといわれるデザインや高い安定性を叶えた構造は素晴らしく、後にプルーヴェ自身の作品のカタログにも登場しているそう。
自然素材のみで叶えられるモダンな佇まいはプルーヴェのデザイン哲学その物。
ものを知り、研究を重ね完成させる。
飽くなき探求とものづくりへの熱量は数少なくとも永遠のデザインへとかたちを変えました。
多くは無くとも、正体が不鮮明であろうとも、ものに宿る力は損なわない。
大胆かつ無駄の無いデザインと機能美は素晴らしく、空間に力強い美しさを放ちます。