vitra Amoebe
by Verner Panton
20世紀のデンマークで最も影響力のあるデザイナーの一人、Verner Panton(ヴェルナー・パントン)。
当時上質な木材を使った北欧家具が好まれていた中で、戦後のアメリカやイタリアで見られるような新素材にいち早く注目。
1959年には、初めてプラスチック一体成型の椅子「パントンチェア」を生み出し、その名を世界に知らしめました。
流行に囚われることなく、独自のデザインを貫いたパントンには、人々の生活を楽しく豊かにしたいという強い想いが根底にあったんだそうです。
「人々がファンタジーとイマジネイションを使い、生活環境をもっとエキサイティングなものにするよう、励ましたい。」
(雑誌 「STUDIO VOICE Vol.299 11月号 ORGANIC DESIGN 特集」より)
1960年後半から1970年にかけては、家具だけでなく空間も含めたトータルデザインへと移行していきます。1970年に開催されたケルン家具見本市での展覧会「ヴィジョナ展」のインスタレーション作品「ファンタジー・ランドスケープ」が有名ですよね。
床・壁・天井で構成された空間と、そこにある家具、インテリア、照明など全ての要素を一体化させ、それを一つのアートに昇華した革新的なスタイルは、当時多くの話題を呼び、「伝説」とも言われる程でした。
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今回ご紹介するパントンデザインは、そんな伝説的な「ファンタジー・ランドスケープ」の為にデザインされたラウンジチェアの一つ、”Amoebe(アムーベ)”です。
気になっていた方もいるかなぁと思いまして・・・「アムーベ」とは、体の形を自在に変えながら動くあの原生生物「アメーバ」のこと。
ちなみに、アメーバは「変化」を意味する「amoibē 」というギリシャ語に由来しているそうです。このくねくねした不思議な形にピッタリなネーミングですよね。
誕生から50年以上が経っていながら、vitra社にて今なお生産が続けられている名作。全31種類ものカラーバリエーションを展開し、選ぶ色によってまったく違った表情を見せてくれる面白さも、人気プロダクトであり続ける所以ではないかと思います。
入荷した個体は、有機的なフォルムと相まって、よりポップな印象が際立つダークオレンジカラーです。スペースエイジやレトロポップなど、個性的なインテリアが好きな方にはたまらないカラーといえるでしょう。
展覧会の様子からもその見た目のインパクトに目が奪われがちですが、もちろん「椅子」としての実用性にも長けています。
ラウンジチェアと座椅子の中間くらいのゆったり寛げる座面の高さ。テレビを見るのにも本や雑誌を読むのにもちょうどいい背もたれの角度とクッション性。柔らかいクッションと緩やかな曲線が着座の際に優しくフィットしてくれるので座り心地抜群です。
現在祖師谷大蔵店には、パントンの初期作品である”C1チェア&オットマン”もございます。
アムーベと同じようなウレタンクッションに張りぐるみのファブリック仕様でありながら、回転式のシートとスラッとしたスチール脚による軽やかなデザイン。それぞれ異なる魅力を直に感じて頂けます。ご来店の際は実際に座り比べることも出来ますので、スタッフまでお気軽にお声掛け下さいませ。
常にエキサイティングなモノを追い求めたパントンは、今でも多くの人を魅了し、遊び心のあるデザインは現代の人々にも深い共感を与えています。
見る者のイマジネーションを掻き立てる作品たち。是非ご自宅で、自分だけのパントンワールドをお愉しみ下さいませ。