LANE
Tuxedo Side Board
ちぎり、契り、千切り。さまざまに表現される木材の割れや接合部を補強するために用いられる木工技術。
なんと古くは古代エジプトのピラミッド群付近にあった船にそれらしき形跡が発見されているそうです(後世に修復された説もあるので真偽は不明です)。
1枚板の荒々しい杢目に施されているイメージからてっきり日本生まれの技法かと思っていましたが、どうやら違ったみたいです。
見立てて、めかして。


英語でもbutterfly jointやdovetail key、Dutchman jointなどたくさんの呼び方があるちぎり。その中のひとつ「Nakashima joint」は、ジョージ・ナカシマにちなんで名づけられています。
割れや節、虫食い穴がある木材に新たな命が吹き込まれる氏の家具。そこに欠かせなかったジョイントは、 自然の美しさを際立たせるデザインとなりナカシマ作品の代名詞となりました。


同氏が本格的に家具の製作を始めたのが1940年代。そしてこのLANE(レーン)の「タキシード | Tuxedo」シリーズが誕生したのが1950年代。そう考えると、なにかしらの影響を受けて着想されたのではないかと思えてなりません。
でもちぎりをただ技法として取り入れるのではなく、デザインとして昇華させるところはさすがアメリカといったところでしょうか。


天板と扉部分にあしらわれた細いライン上にボウタイ(=蝶ネクタイ)に見立てたちぎりの装飾は、まさにタキシードを着てめかしこんだ紳士のよう。
木片パーツには、主材であるウォールナット材のやや赤みのある木色よりもさらに深みのあるローズウッド材が用いられ、ミッドセンチュリー期らしいユニークさとタキシードにちなんだ上品なフォーマル感を両立させています。



もちろん見た目だけでなく収納家具としてのアビリティも秀逸。上段には、仕切り板付きと詳細はわからないけれどなんともアメリカンなブルーのステッカーが残った計2杯の抽斗。
さらに下段には観音開きの扉を開けると左右2つの棚収納が備わり、食器や本、衣類など用途を限定することなく、またリビングやダイニング、寝室など設置する場所を制限することなくお使いいただけます。



正しくは日本生まれではないかもしれないけれど、それでも長く日本に根付いてきた伝統技法、ちぎり。それが取り入れられたデザインというだけで、なぜか親しみと愛着が湧いてくるようです。
ちなみによく見ると、脚部にストレートラインの彫り模様が施されていたり抽斗の把手もバタフライ型という小さなこだわりもたっぷり。
アメリカでまた違った形が見いだされたちぎりが作り出すタキシードが、空間に古き良き格式高さをもたらしてくれることでしょう。











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