Louis Poulsen
VL 38
デンマークデザインの真髄である機能美。
美しいデザインに与えられた使い心地は評価され今尚多くのシーンに影響を与えています。
光もそのひとつ。
他のプロダクトと異なり“灯を放つ”役割を持つ照明にこそデンマークデザインの素晴らしさが宿ります。
本日紹介させて頂くのは美しさに伴う灯の名作。
ルイス・ポールセンより「VL38」をご紹介させて頂きます。
先駆的な灯
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滑らかな梨型のシェードに真っ直ぐ伸びるアーム。
シンプルながら見た目とバランスの両方を確りと支えるベース。
この魅力的なデザインを手掛けたのはデンマーク建築史のなかで最も重要な建築家と称される、ヴィルヘルム・ラウリッツェン。
モダニズム建築の傑作と語られる名作を数多く手掛けたことで知られる名建築家です。
彼は生涯を通じ、建築は応用芸術だという考えを持ち続けました。
芸術と応用を同様に捉え形作られるデザインはデンマークデザインの美学そのもの。
「美学なくして生活はない」との信念は彼が手掛けた空間にも表れています。
彼は自然光と人工照明の両方の性質を熟知しインテリアや家具を用い空間に彫刻の様な陰影を与えたのです。
そんなラウリッツェンが1938年にデザインした照明がVL38でした。
多くの名作が生み出されたミッドセンチュリー期以前。
これほどの完璧に近い名作がデザインされていたことに驚かされます。
時代特有のモダンな雰囲気を感じさせながらも発される確固たる美しさはまさにロングライフデザイン。
デザイン哲学を色濃く映した、まさに歴史的名照明と言えます。
光を用い自らの空間を完成させていたラウリッツェン。
そんな彼が手掛けた照明の魅力は勿論発される灯にもあります。
角の無い柔らかい光はまるで零れる太陽の日差しの様。
元々デンマーク放送局の為にデザインされたVL38はラジオハウスに素晴らしい灯を与えたそう。
1940年代半ばからルイスポールセンのラインナップに登場したVL38は今尚多くの空間に良質な灯を届けています。
今回入荷したVL38はブラックのアイテム。
マットな仕上が施されたシェードとベースは美しいフォルムを引き立てながら、零れる灯により輪郭をぼやけさせます。
光とフォルムのバランスを支えるアームは深みある真鍮製。
照明器具の開発と改良に生涯を捧げたラウリッツェンの研究と美学の結晶と言えます。
デンマーク機能主義建築の先駆者ラウリッツェン。
VL38が発する灯も先駆的な理想の灯だったのかもしれません。
色褪せることのない名照明、VL38のご紹介でした。