YAMAHA
Audio Rack BLC-102
思い立ったらとりあえずやってみる性分で、けっこう急に舵を切ったりする方です。
今でこそ大人になり、計画とか見通しとかの重要性も少しばかり理解してきたように思いますが、基本的に私生活は予定は未定スタイル。
そんな個人的な行き当たりばったりとは少し異なるのかも知れませんが、実はそんな企業が実在していました。
No Music, No Furniture ?
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いわゆるカラーボックスのような見た目。抽斗もついているし、ガラス扉も備わっている。
あえて挙げるとすれば、木肌を感じられるナチュラルな風合いがどこか上品。それでも、使いやすそうな収納家具の域は超えていない?といったところです。
ところが、見方を変えるとその印象は一変。規則正しい穴が並ぶそのさまは、只者ではありません。
上から&横から見れば、風変わりなデザインが施されていることに気づきます。
ちらりと見える内側にも、たくさんの穴。
奇抜なデザインに驚かされる一方で、なんと日本が誇るメーカー、YAMAHA(ヤマハ)製だというからさらに驚きです。
オルガンの修理から始まり、そこから派生したノウハウを駆使して、戦闘機のプロペラ、家具、エンジン、船、プールなど「これなら作れる」の精神でさまざまな事業を展開するヤマハ。
今回改めて、イメージを覆すほどに柔軟な会社だということを知らされました。それでもさすがは音楽に携わるメーカーだけあって、それは家具にも生かされています。
こちらの「BLC-102」はオーディオラック。当時の説明書では、アンプにチューナーなどどんなオーディオをセットしてもリスニングルームにマッチする、スクエアタイプのコンポーネントファニチャーと紹介されています。
「オーディオライフを一層すばらしいものにする」という文面からも自信の高さが伺えます。
なによりも、放熱穴と配線穴を見事に装飾へと昇華させた、Mario Bellini(マリオ・ベリーニ)のデザイン力。カッシーナでもB&Bでもアルテミデでもなく、ヤマハだったからこそ生まれたデザインだと思うのです。
なお、専用の栓が付属するので、不要な時はふたをして。オーディオ機器だけでなく、通常のキャビネットとしてなんでも収納できます。
音楽×家具。日本のメーカー×イタリアデザイン界のレジェンド。お互いの可能性を引き出した「これなら作れる」の融合。
この家具を見ていたら、昔パソコンから急に方向転換して買ったレコードプレーヤー一式を、なんだか引っ張り出してみたくなってきました。