YAMAGIWA
Tear Drop Mini LED
日差しが出たり入ったりを繰り返していたので、肌を灼くような暑さではないと安心していたら、雨の降り出しをきっかけに湿度がものすごい事になっています。
やはり夏。暑いという事からは逃げられないようですね。
今回はそんなエネルギーの基でもある光を捉え、特別なものにするライティング。
宜しければ、最後までお付き合い下さいませ。
心を掴む無機物
ライティングといっても様々。
吊り下げてダイニングテーブルやデスク、お部屋全体の雰囲気を決めるペンダントライトやシーリングライト。
最近高い人気を誇る、スポットから間接照明としても使えるフロアライトやアームライト。
今回は主にテーブルやシェルフ、サイドボードなど目の高さから雰囲気を加えるテーブルスタンドというタイプ。
コンパクトで取り回しの良いものが多いので、好きな人はそればかり集めてしまうという魔性のアイテムでもあります・・・。
このテーブルスタンドを製造するのはヤマギワ | YAMAGIWA。日本に於けるデザイナーズライティングを牽引してきたと言っても過言ではない老舗ブランド。
海外の名作を取扱うだけではなく、オリジナルアイテムとして発表したものも多く、コレクターから常に熱い視線を注がれているのです。
このライティングの名前はティアドロップ。デザインは吉岡徳仁さんが手掛けています。
倉俣史朗さん、そして三宅一生さんという世界的な人物から教えを受け、自身もまた活躍するデザイナー、建築家、美術家。
現実の喧騒を切り離すような独特の世界観はファンも多く、ルイヴィトンやカルティエ、エルメスといったメゾンとの協働も多数。近年では東京オリンピックのトーチデザインを手掛けた事でも有名です。
2007年に発表されたティアドロップ。MoMAにも所蔵されているこの作品は感動の涙をイメージした、光のデザイン。
硬質ガラスの中に閉じ込められた光源は、まるで人の心象をカタチにしたような尋常ならざる雰囲気をたたえています。
その理由は、サンドブラストという砂を吹き付ける事で生まれる質感。
ガラスの内側に細かな凹凸を付ける事で、強い光でも拡散して柔らかに。
そして元々の透明度の高さは、ガラスを抜けた光をプリズムのように変化させるのです。
当初は両手で包むような大き目サイズでしたが、今回は高輝度LEDを採用したミニサイズ。
手のひらに乗る程の手頃な大きさは、ちょっとした小物と並べてディスプレイもしやすいので気負わずに取り入れて頂けます。
ガラスという、元々は砂から生まれた結晶体。
透き通り、光を曲げる事でその存在を確かにしてくれる。
吉岡さんにとっても思い入れのある素材だからこそ特別になった。そんなマスターピースです。