moooi
AVL shaker chair
18世紀の後半から20世紀初頭のアメリカで、労働に励み簡素な生活を営んでいたシェーカー教徒。彼らが生活のためにデザインした「シェーカーチェア」はシンプルでいて機能的なデザインから評価されており、デンマークの家具デザイナー“ボーエ・モーエンセン”や“ハンス・J・ウェグナー”らも、影響を受けて椅子を製作しました。本日ご紹介するのはそんなシェーカーチェアを、現代アーティストが独特な感性で昇華させたもの。家具として作品として楽しめる一脚です。
現代アーティストによるシェーカーチェア
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ご紹介するのは、“アトリエ・ファン・リースハウト Atelier Van Lieshout”の頭文字を取って名付けた“AVLシェーカーチェア AVL shaker chair”です。アトリエ・ファン・リースハウトとは、オランダ人のアーティスト“ヨープ・ファン・リースハウト Joep van Lieshout”率いるアート集団のこと。人体をモチーフにしたオブジェや内臓の形をした建築物など、ちょっと毒のある作品で知られています。
彼らが1998年に発表した「良い、悪い、醜い The Good, The Bad and The Ugly」という建築的作品のために作られたというのが、AVLシェーカーチェアです。一見すると、特筆することのないシンプルな椅子に思えますが、眺めているとその存在にどこか違和感を感じずにはいられない不思議なチェアとなっています。
この違和感は、チェアの独特な構造によるもの。後ろ脚は前脚より短く、チェア全体が後ろに倒れかかっているように見えます。また、奥から出前に広がる座面は、パースがかかったような奥行も感じられますね。
ユーモアたっぷりながら、ゆったりと座れるところも魅力的。デザインでは違和感として働いていた、斜め掛かった座面によって、自然と背もたれに身体を預けられます。椅子としての機能もしっかりと果たした1脚です。
こちらは個性的で遊び心あるインテリアを提案するオランダの家具ブランド“モーイ moooi”が製品化したもの。オランダ語のmooi(美しいの意)に1つ"o"を加えることで、さらなる美しさやオリジナリティのあるデザインをめざす意味で名付けられています。
リースハウトのアート作品は、あるときは天窓、またあるときはトイレ、あるいはベンチとして、実際に使用されているものばかり。作品と製品との境界をテーマとし、建築やデザイン、現代美術の枠をも超える新たな価値を生み出しています。是非この機会に、さり気なくアートをお部屋に取り入れてみてはいかがでしょうか?