METROCS
F031
数多くの名作を生み出したミッドセンチュリー期。
技術の進歩や時代の激しい変化、異文化同士の混合は刺激的なプロダクトへと形を変えました。
そしてそれらは次の名作のきっかけとなることに。
本日ご紹介させて頂くのは、巨匠たちの影響を含んだフレンチモダンの名デスクです。
ミニマムなデザインと軽やかなバランス
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デザイナー、ピエール・ポラン。
60年代から70年代のフランスを代表する名デザイナーとして知られています。
今回ご紹介させて頂くのは同氏の手掛けた代表的なプロダクトです。
大叔父が彫刻家、叔父が自動車のデザイナーという環境で生まれたピエール・ポラン。
何かを生み出す行為とその結果は人より身近でした。
一時は自身も彫刻家を目指したそうですが怪我により断念。
パリのエコール・カモンド校で家具の伝統を学びます。
そこで出会ったのがイームズ、サーリネン、ネルソンら巨匠の名デザインでした。
50年代にはフランスのトーネット社、オランダのアーティフォート社より家具を発表。
以降座り心地と見た目の美しさを兼ね備えた名チェアを次々と手掛けていきます。
1970年には大阪万博のフランスパビリオンの為にトリコロールのソファ“アンフィス”をデザイン。
当時の人々に衝撃を与え、50年代以降におけるフランスのモダンデザインを牽引します。
無駄の無い構造と柔らかなラインを持つ同氏の作品。
特有の空気感はそれまでの家具デザインには無い独特の雰囲気を持ち、空間で存在感を放ってみせました。
しかしながらこのデスクは同氏のデザインスタイルとはまた違った表情を持ちます。
デザインは1953年。
トーネット社が製造を請け負いました。
直線を基調としたシンプルで機能性を追及した美しいフォルムが非常に印象的で全ての箇所に置いて一切の無駄がありません。
これは初期デザインに見られるミニマムな形だそう。
60年代以降に手掛けられた彫刻的な名作とは異なる魅力は随所に見られ、あくまでも使うための家具であるという意図を感じ取ることが出来ます。
天板とキャビネット、それらを支える細い脚。
最低限の構造を最大に引き出すバランスと素材感の融合にピエール・ポランのデザイン哲学を強く感じさせます。
比較的コンパクトなボリュームと軽やかでスタイリッシュなルックスは“プチデスク”と呼ばれ、様々な場所で愛されていたそう。
しかしながら製造されていたのは発表から十数年のみ。
一時は幻の名作となりました。
今回入荷したのはオリジナルモデルを忠実に再現しつつも、日本の職人技術と現代的な改良も採用した完全復刻モデル。
完成は2003年。
高い完成度と品質はピエール・ポラン自身もパーフェクトと評価したそう。
マットな質感の天板にデザイン性と強度を兼ねたスチールフレーム。
細いラインがメリハリを利かせ確りと、且つ軽やかに存在感を放ちます。
ブラックの凛とした表情がオークの温もりとマッチして良い表情を見せてくれます。
抽斗の収納力も特徴。
深さの異なる2杯はA3サイズをすっぽり納めます。
ミニマムなデザインに軽やかなバランス、モダンな存在感を持ちながらも様々なスペースや様式に馴染み活躍してくれます。
ミッドセンチュリー期に生まれ、再評価された名プロダクト。
生活や場所、使う人を意識したモダンなかたちはいつの時代でも魅力的に映ります。
機能性を追求したミニマムな美しを持つ名作です。