マルニ60
オークフレームソファ
ロングライフデザインと呼ばれる様々な名プロダクト。
普遍的なデザインや唯一無二の存在感は勿論、変わらない使い心地もそれらが持つデザインの魅力です。
時代は変われど変わらない魅力を放つ。
美しいデザインが与えられたからといって全てが永く愛されるわけではありません。
良いプロダクトは拘りや努力をもってはじめて人の心に訴えかけます。
本日ご紹介させて頂くのは日本で生まれた美しいプロダクトです。
永遠の60年代
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1928年に広島県宮島にて創業したマルニ木工。
厳島神社で有名な創業地域は古くから神社の造営や修繕、木材集積で発展してきた地域であった為、多くの優れた職人工が育まれる場所でもありました。
文化や生活を映すと言われている工芸にも色濃く反映した木工により、宮島には古くから伝わる木を用いた伝統工芸があります。
創業者である山中武夫氏は宮島の伝統工芸の、まるで手品のように自在に形を変えていく「木の不思議さ」に着目しました。
これがマルニ木工の始まりだったそう。
その後、当時としては技術難度の高い木材の曲げ技術を確立。
木材の乾燥技術や高度な木工加工技術を叶え「技術のマルニ」と称されるほどになります。
「工芸の工業化」をモットーに当時ではほとんど行われていなかった分業による一貫生産は木工家具業界に新しい風を吹かせました。
それまで家内手工業が主であった家具生産に革新を起こしたマルニ木工は大きく生産量を伸ばし、業界の旗手となります。
情熱を持ち作られる家具は言葉の壁をも越え、なんと米アップルの新本社に数千脚を納品することに。
暗く閉鎖的なイメージだったという「HIROSHIMA」は平和の象徴として海を渡ったのです。
「家具は工芸品だ。椅子ならばそれに座る人が美しく見えるような椅子を作らなければならない。」
創業当時によく言われたというマルニ木工のこの言葉は今日のマルニ木工の家具に強く残っています。
使い手だけでなく、使い手の生活そのものを豊かにする力を持つ家具は類を見ません。
美しい造形と圧倒的な座り心地。
その両方の共存。
今回入荷したオークフレームソファは1960年代のロングライフ製品を復刻生産する「60VISION」プロジェクトにより、再びその素晴らしさが認知されることになった名チェア。
ものづくりの精神は飛び火し、ブランドの垣根を超えて過去の名作に再び命を吹き込みました。
このチェアもそのひとつ。
永遠の60年代。
ものづくりは消費されるだけではありません。