GUBI
Nagasaki Chair
『かわいい』の語源となる「かわはゆし(顔映ゆし)」という表現が生まれたのは11世紀頃の事。本来は「恥ずかしい」「きまりが悪い」という意味だったようです。現代ではそれらの意は消失し、様々な意味を持たせた表現となり存在しています。
私がそれを見た時に口から漏れた『かわいい』は、今まで何の気なしに発していた『かわいい』よりも特別なモノでした。
フランスのミッドセンチュリーデザインを牽引したマシュー・マテゴが1954年にデザインした“ナガサキチェア”。
最初の直観はいつもと変わらない『かわいい』だったのですが、ナガサキという名前、アンバランスなフォルム、エキスパンドメタルの質感、独特なカラーリング、3本脚、見れば見るほどに受ける印象は変わっていきました。
うん。全く訳の分からんデザインだ。(笑)だが、それでいい!
この得体の知れなさこそがナガサキチェアの魅力。それを敢えて『かわいい』と表現しようじゃないか!
ところが、「よし!買うぞ!」なんて思っていた矢先に、旅立って行ってしまいました。それから今日にいたるまで、再び入荷することはありませんでした。。。。今も変わらず入荷を待ち望んでいます。(笑)
ちなみに、オリジナルは50年代に製造されたものしか存在していないそうで、大変貴重なんだとか。このナガサキチェアはグビ社が復刻したものでしたが、いつかはオリジナルもお目にかかりたいものです。