Brabantia
Nesting Table
多くの名プロダクトが誕生したミッドセンチュリー期。
技術の進歩や時代の激しい変化、異文化同士の混合は刺激的な名作へと形を変えました。
本日ご紹介させて頂くのはオランダで生まれた名ビンテージ。
黄金期の北欧家具やUSミッドセンチュリーモダンデザインとはまた異なる表情の逸品です。
洗練された美意識
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1919年創業のオランダの老舗インテリアメーカー、ブラバンシア。
家庭用品メーカーである同社のプロダクトはダストボックスやキッチンツール等、日用品としての家具のイメージの方が強いかもしれません。
しかしながら今回紹介させて頂くのは秀逸なデザインが強い個性と魅力を放つ家具です。
デザイン、品質共に多くの優秀なメタル家具を輩出したオランダ。
パストーやピラストロ、トマド等、それらが放つ特有の雰囲気は多くのビンテージファンを魅了してきます。
60年代付近に生み出された美しいオランダミッドセンチュリー家具たち。
ブラバンシアはこの時代にネストテーブルやサイドテーブル、ラダー等のコンパクトな家具を手がけていた様です。
このネストテーブルも同様、60年代に製造されていたと思われる逸品。
無駄の無い仕様ながらどこか漂う無骨さとシャープさはまさにオランダミッドセンチュリーモダン。
軽快なバランスが美しく、随所に高い美意識を感じさせます。
木製の天板とメタルフレームで構成されたテーブル。
直線的なフォルムが異素材同士の調和を強調します。
重ねた際のバランスも非常に美しく、計算された形である事が分かります。
それぞれが独立していながらも、抽斗のようにスムーズに引き出せるテーブル。
緻密なデザインがこの滑らかさを叶えています。
引き出した際の引っ掛かりによるストレスは無く、気軽に展開が行えます。
天板裏には接触を避けるためのクッション材が四隅に配置されており、細かな箇所にも配慮が伺えます。
最上段にあたるテーブルはサイドにマガジンラックが組み合わさった仕様。
無駄の無いフレームの流れと吊り下げられたレザーが担うラック部分。
木とメタル、レザーそれぞれの魅力を最大限に活かしたかたちがミニマムなデザイン美を感じさせます。
優美で艶やか、且つ深みある木色と杢目はローズウッドによるもの。
個性的な表情の材ながらデザインを邪魔しないバランスも魅力のひとつ。
深みある経年も相まって、唯一無二のビンテージアイテムに仕上げられています。
ラックには雑誌、本、レコード等が丁度良く納まるサイズ感。
適当に置いておいても様になります。
必要な時に気軽に、且つ柔軟に対応するネストテーブル。
限られたスペースで本領を発揮するアイテムですが、これほどにデザイン的で扱いやすいアイテムはそう多くは無いように感じます。
それぞれのテーブルの表情も良く、個別に展開しても良い雰囲気を放ってくれます。
これほどのデザインと使い心地を持ちながらもデザイナー等の詳細は不明。
この匿名性もこのテーブルの特徴でもあります。
所々に与えられたユーザーへの配慮と随所に込められた高い美意識。
それらが融合することで生まれる無骨な温度こそ、オランダのミッドセンチュリーモダンファニチャーが持つ特有の魅力と言えます。