FLOS
STYLOS Floor Light
師走ももう半ばに差し掛かって、いつもであれば穏やかに年末年始を迎えるために奔走している頃合い。
今年はイベントごとが少ないせいか、気持ち黙々と仕事に打ち込めているような感じがしています。
それ自体は良いことではありますが、あるべき賑わいがないような、何か悶々とした気持ちも同時に心の中で育っている。。そんな気分です。
同じような気持ちを感じている人もいるのではないでしょうか。
言葉に出来ないような自分の気持ちを穏やかにして、心を解き放ってくれるのは新鮮な驚き。
照明というカテゴリーにおいて、私たちに新しい光の在り方を示してくれた、偉大な先人のアイテムが入荷致しました。
是非ご紹介させてください。
そこに留まる光
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今回のアイテムは、イタリアから始まり今では世界を代表する照明メーカー、フロス(FLOS)社のフロアライト。1984年と、約35年程前に発表されています。日本だとバブル期の最中でしょうか。
デザイナーはフロスにおける重要人物、アッキーレ・カスティリオーニ。フロス社に参画するまでは建築家で兄のリビオ、ピエールジャコモとの共同作業を多く行っていましたが、こと照明においては、アッキーレの作品が多く評価されています。
デザインの殿堂とも言えるMoMA(ニューヨーク近代美術館)のコレクションには、氏のアイテムが照明だけでも7点所蔵されており、私たちの暮らしの後ろには、氏の足跡がはっきりと残っている事を知る事ができます。
シリーズ名のスタイロスは古代ギリシャ語で「柱」を意味する単語。その名の通り、アクリルで作られたシェードの柱が厳かに立っています。
オパリン(乳白色)の色合いはどこかスモーキーで、有機的なものを覆い隠すようなモダンな雰囲気に一役買っています。
機能は大きく二つ。スイッチによって上と下にある照明をそれぞれオンオフ出来ます。上方には白熱球(LED可)、下方には指向性の強いビームランプが付けられています。
気分に応じて必要な光量をコントロール出来るギミックです。
そしてこのアイテムの特筆すべきポイント、柱の先。
真っすぐと上に向かって伸びるシェードと、下部にあるビームランプの組み合わせによって光は上に向かって伸びてゆきます。
それによって光の道筋が整えられ、天井にはしっかりと形を持った「光の存在」を感じる事が出来るのです。
通常のライトであれば強い光源からの光が直接目に飛び込んでくるので、眩しかったり時にはチラついたり無意識に身体が拒絶してしまうタイミングがありますが、このライトが持つ組み合わせによって「目に優しく」「印象的」、そしてスイッチで可能となった「雰囲気を選べる機能性」が成り立っています。
氏の照明には、真剣に光で遊んでいるような「愛嬌」が感じられます。
ずんぐりなスチールのシェードから広がりのあるコントラストの効いた反射光が覗く「スヌーピー」しかり、ワイヤーで吊るした円盤に投射する事で光を面に捉えた「フリスビー」しかり、可動するガラスボウルに白い蓋を被せる事で複数の光の存在させた「タチア」しかり。
光りの大切さを何よりもわかっているからこそ、その存在を使うみんなに分かって欲しかった、、というのは考えすぎでしょうか。
雰囲気のあるお部屋づくりを考える時に、照明はとても重要な役割を果たします。こだわりのある方にも、実用だけではない魅力を探している方にもお勧めしたい逸品です。
光がそこに存在することを、感じてみませんか?