FREDERICIA
Easy chair model 2257
本日ご紹介させていただく一点は、北欧デンマークの巨匠 "ボーエ・モーエンセン Borge Mogensen" によってデザインされたイージーチェア。
そのシンプルな装いに込められた ボーエ・モーエンセンならではのデザイン哲学は、現在のデンマークのモダンデザインが持つ "心地よさ"の原点と言っても過言ではありません。
小さな建築をするように。

かの "ハンス・J・ウェグナー" と同い年で、若い頃は同じアパートで暮らした事もあるほどに、その親交の深さでも有名な ボーエ・モーエンセン。
「一般大衆に向けた 上質且つ 価格を抑えた家具作り」 を生涯において追求した事で知られ、デンマークのモダンデザインにとっては勿論、デンマークの人々にとっても欠かせない存在として愛されてきました。


こちら"model 2257 "は装飾の一切を持たず、ミニマルでありながら的確なフレームワークによって構成された一脚。
直線を基調としたデザイン観はまさにボーエ・モーエンセンならではのフォルムで、身の回りにあるあらゆる家具を実測したり、実験を重ねる事で培われた "確固たるバランス" を感じさせます。


このチェアに唯一存在している曲線は、バックシートに施されたゆるやかなカーブライン。
家具職人としての丁寧さが感じられる、素敵なワンポイントとなっています。
またこうして全体を見ると、「周りの直線的なフレームワーク」と「人が身体を預ける面」の対比が見事に表れており、 "支える"と"寛ぐ"という関係性が機能美として感じ取れる "建築的なデザイン" である事が分かります。

常にシンプルで実用的な家具を追い求めていたボーエ・モーエンセンは、重厚な作りのソファーに対し「肉屋のソファ」といった皮肉を投げかけていた程。
そのデザイン観はチェアのシートの構造にもダイレクトに表れ、こちらのmodel 2257も必要十分なパッド型のシートクッションがフレームに設置されるという、思い切りのあるスタイルでデザインされました。



しかしこの組み合わせが絶妙な扱い易さを生み出しており、従来のイージーチェアやソファのような「重くて大きい」「シートファブリックのメンテナンスに困る」等という使い手の悩みを解決してしまったのです。

計算され尽くしたバランスで組み上げられている事からその座り心地も大変心地よいものとなっており、イージーチェア、1Pソファとしては勿論、大きさがW62cm程度となっておりますので ダイニングチェアとしても使えるサイズ感。
軽量なので男性女性問わず取り回し良くお使いいただける点も、model 2257ならではの魅力です。

製作を手掛けた "フレデリシア FREDERICIA" は、デンマークでもきっての名門家具工房。
ハンス・J・ウェグナーの作品も数多く手掛けており、その堅牢且つ上質な仕上がりは、数あるデンマーク家具の中でも一流の品質として有名です。

如何でしたでしょうか。
デンマークの人々の暮らしを常に考え、それまでにあったデンマーク家具の歴史を一新してしまったとも言える、ボーエ・モーエンセンらしさが感じられる一脚でした。

こちらは貴重なビンテージ品。
ご自宅や別荘の家具として、他にないアクセントを添えながら、心地よいひと時を運んできてくれることでしょう。
お探しの方は是非、この機会にご検討くださいませ。