Fritz Hansen
PK22
北欧家具。
木の温もりや伝統的な佇まいが魅力的な逸品。
そんな北欧デザインの既成概念に風穴をあけ、今や世界の名作となったプロダクトが1956年に産声をあげました。
手掛けたのは”ミニマリズムの鬼才”と呼ばれるデザイナー。
最高峰のモダンアイテムをどうぞ堪能あれ。
ミニマリズムの鬼才。
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本日紹介させて頂くのは“フリッツハンセン / Fritz Hansen”のイージーチェア「PK22」です。
デザインを手がけたのは理想的なフォルムと工業的な探求を常とした名デザイナー、ポール・ケアホルム。
PK22は彼の代表作として知られる名作です。
極限まで無駄を省いたデザインとクオリティーの高さ、そして佇まいの美しさ。
PK22のデザインには、ポール・ケアホルムの哲学と信念が色濃く反映されております。
鬼才ぶりを発揮する同氏ですが、ある巨匠2人が彼に強く影響を与えたという。
1人に近代建築の巨匠「ミース・ファン・デル・ローエ」。
「過去と決別し新しい表現形式」を目指すモダニズム建築を世に広めます。
不要なものを徹底的に削ぎ落とすミニマリズムは、彼の「Less is More」という言葉でも表現されています。
ポール・ケアホルムはデルローエのミニマリズム思考に尊敬の意を示しました。
もう1人に北欧デザインの基礎を確立した、北欧家具の父「コーア・クリント」。
全盛期だったモダニズムと対照的に「伝統的なデザインを現代の視点で再構築」する「リ・デザイン」を提唱します。
使用する人を設計の基本に据え、過去の伝統的な家具を、実用上で必要な機能という視点からリ・デザイン(=再構築)。
ポール・ケアホルムは、見た目の美しさに重きを置くのではなく人の為にデザインするクリントの思想に尊敬の意を示しました。
二人の対立するような思想を融合させた同氏。
PK22はデルローエのバルセロナチェアを「リ・デザイン」したもの。
バルセロナチェアの「機能」に着目し、それ以外の要素を徹底的に削ぎ落としました。
今までにない新しいものを生み出す「モダン」。
伝統を重んじ現代に適合するよう再構築する「リ・デザイン」。
デルローエとクリントの思想は決して交わる事の無いものかと思われます。
しかし、不要なものを取り除く「ミニマリズム哲学」と実用性を考え人の為にデザインを探究する「リ・デザイン哲学」。
たどり着くデザインは実は同じ。
それに気が付いたケアホルムは、残った本質的な機能を現代風に表現するために、着目し続けた当時の新素材である「スチール」を用いて「再構築」したわけです。
バルセロナチェアの様な目を見張る派手な佇まいではないですが、実用性が存分に詰め込まれながら洗練されたデザインを実現した革新的なPK22は、多くの人の心を鷲づかみにしました。
ラウンジチェアは普通クッションが使用されるもの。
PK22は両端のフレームに柔軟なレザーを固定し、担架のような構造で座る人の体を包み込みます。
椅子として必要とされる機能(クッション性)を構造により実現。
「素材の良さを表現する」ケアホルムの考えが前面にでた設計。
鬼才と言わしめる確かなデザイン力は、彼の飽くなき探究心・完璧主義から生まれたものでした。
誰に影響されたか。
どんな考えを持つか。
他社の思想と自分の思想が適切に融合したとき、まだこの世に存在しない名作が生まれます。
思いつきではない強い想いが具現化されたプロダクトにはどこか尊いものを感じませんか?