フリッツハンセン Fritz Hansen ポットチェア 3318 POT ラウンジチェア ファブリック クリスチャンハウン ベージュ ブラウンブロンズレッグ アルネ・ヤコブセン デンマーク 定価¥297,880- 展示品 ~機能と、エレガンスの境目~

UPDATE: STAFF:トリス
フリッツハンセン Fritz Hansen ポットチェア 3318 POT ラウンジチェア ファブリック クリスチャンハウン ベージュ ブラウンブロンズレッグ アルネ・ヤコブセン デンマーク 定価¥297,880- 展示品 ~機能と、エレガンスの境目~

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Fritz Hansen

3318 POT

突然ですが、椅子を選ぶシーン、いろいろとありますよね。

親元から離れ、何もないゼロの段階から選ぶ1脚。間に合わせもあれば、親や知り合いから譲り受けたりもあるでしょう。

バイトで貯めたり、社会人として働き始めると自分で稼いだお金で「自分の」お気に入りとして選ぶことも。

経験が積み重なると増える、椅子を迎え入れるタイミング。

さて今回の1脚は、どんなタイミングで求められるチェアなのでしょうか。

 

軽やかであること

フリッツハンセン。現在デンマークのファニチャーブランドとして1、2を争うほどの認知度を持つ名企業です。

1872年にキャビネットの職人であったフリッツ・ハンセンが通商権を取得し、1885年に家具の製造所を立ち上げ。その品質の高さから市庁舎や最高裁判所、歴史あるヨーロッパらしく城郭への納入を行う堅実な企業へと成長しています。

 

昔ながらの形式に満足せず、新しい製造技術として取り入れたのは曲木(ベントウッド)。無垢材を切らずに曲げるこの方法は強度を保ちながら流麗なカーブを実現する事ができ、新たな表現へとつながりました。

デンマーク初のスチール製家具も手掛けており、その先進性はほかとは一線を画すものであったことを伺わせます。

そして今回のアイテムにも繋がるアルネ・ヤコブセンとの出会い。薄くスライスしたベニア(単板)を接着する事で生まれた丈夫な素材、プライウッドによるアントチェアやセブンチェアはご存じの方も多いと思います。これもフリッツハンセンの揺るぎない実績です。

軽く、美しく、使いやすい。モダンデザインの王道をゆくチェアののちに、このタッグが生み出したのは「彫刻」のような美しい椅子たち。

今もデンマークを代表する名勝、SASロイヤルホテル(現:ラディソン・コレクション・ロイヤルホテル)の建築設計の中生まれました。

新しく用いられたのは、硬質発砲ウレタンフォーム。

空気を含んだこの素材は樹脂を吹き付ける事で形を作り、人の荷重に耐える強度を持ちながらそれまでにない軽やかさをもたらしました。

ひとつながりの、まろやかともいえる曲面。

それまでの製造方法の一つ、木枠にスプリング、張りぐるみといった拵えでは製造困難な「面」のチカラ。

一面大理石のロビースペースに、陰影すら魅力に変えるチェアたちが騒然と並ぶのですから、当時はどれだけ話題になったかと想像するのも難くありません。

エッグ、スワン、ドロップ、そして今回のポット。当時4種類の椅子がデザインされています。

頭部までカバーし、包み込まれるエッグ。背もたれとは切り離されたアームが鳥の翼のようにも思えるスワン。ドレッサー用としてデザインされ、立ち座りの邪魔にならないスマートな佇まいが魅力のドロップ

そして今回のポットは、「開かれた快適さ」が魅力です。

包み込まれ、外側からの視線も遮るエッグはまさに主人の椅子。くつろぎと格式を兼ね備えていますが、SASホテルのようにトータルデザインが無ければその存在感は圧迫感につながる事も。

ドロップチェアは身支度のためにピンポイントで用いる設計思想。収まりの良さはしっかりと感じるもののデスクチェアのように座り続けると心許ないと感じる事もあるかもしれません。

スワンチェアは、スイベルがついている事もありとても軽快。アクティブにコミュニケーションを取る1脚として申し分ありませんが、メリハリの利いた動きは傍から見たとき目にうるさく感じてしまう可能性があるかもしれません。

(※あくまで適不適の観点からの見方であり、悪く言いたいわけではもちろんありません。むしろ大好きです。)

ポットはそんなそれぞれのチェアとバランスを取る1脚。高さは69センチと4脚の中で最も低く、視線を遮らない見通しの良さがあります。

スイベルは付いていませんが、軽やかで安定感のあるスチールフレームはセブンチェア同様モダンな印象を損ないません。フレームの踏ん張りが利くこともあり、浅めのかけ心地の中にも安心の出来る、くつろぎを表す流石のバランスです。

今回ファブリックは薄目のブルーやブラウンを感じさせるオリジナルファブリックのクリスチャンハウン。フリッツハンセンがデンマークの中心に初めて製造所を立ち上げた地名から名前がとられており、その品質への自信が伺えます。

細かな凹凸はドライタッチで肌離れが良く、シーズンを問わず使える上品なグレーにはマットなブロンズカラーのレッグ。

さりげなく品を感じさせるディティールが確かに機能し、お部屋の重心を奪わない軽やかな1脚となっています。

SASロイヤルホテルの中では、植物のランが彩るガーデンやバーといった歓談スペースにたくさん並べられていたポットチェア。

視界は常に広く保たれ、外に目を向ければ見知らぬ人でも何気なく目があったり、ちょっとした会話がはずんだり。そんなオープンな雰囲気を作り出すためにヤコブセンが考え抜いた形。お好きな方もきっと多いと思います。

特徴的なプラスの魅力だけではなく、周りを邪魔しないという俯瞰で生まれるマイナスのない魅力。いぶし銀は言い過ぎかもしれませんが、こんな塩梅までカバーしてしまうヤコブセンに喝采を送りたくなる、そんな静かな名作です。

この椅子を求めるのはきっと、本当に大切な「バランス」に気付いた方。

余白を残した選択が出来る、勇気ある大人にふさわしい1脚のご紹介でした。


フリッツハンセン Fritz Hansen ポットチェア 3318 POT ラウンジチェア ファブリック クリスチャンハウン ベージュ ブラウンブロンズレッグ アルネ・ヤコブセン デンマーク 定価¥297,880- 展示品 ~機能と、エレガンスの境目~

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