Fritz Hansen
3107 Seven chair Colored-ash
先日、友人と『建築の在り方』について話す機会がありました。
新しいものを次々に作り続ける社会の中で、私たちが消費するペースと地球の持つリソースの限界がどんどんずれていく現状で、古いものが大切にされなくなり、ポテンシャルを使い切る前に廃れたり、消費されたりする現状に違和感を覚える、と。
『古い』というだけで価値を失うのではなく、むしろ、時間を経て成長し、深みを増していくものにこそ、真の価値があると思いますし、リノベーションや古民家再生が注目されるようになった今、物を大切に使うという感覚が再び広がっていけば良いなと思いますが...
私もこの仕事を通じて、USED品やビンテージ・アンティークに込められた歴史や価値を次の世代へとつなげることができればと考えています。
美しさだけでなく、使い続ける価値を

本日ご紹介させていただくのは近代建築の巨匠の一人“アルネ・ヤコブセン Arne Jacobsen”の代表作である『セブンチェア SEVEN CHAIR』。
建築家でありデザイナーとして知られるアルネ・ヤコブセン。
ジャンルを問わず多岐に渡る活躍をした人物で、建築ではデンマーク国際銀行やオーフス市市長舎、家具ではセブンチェアやスワンチェアなど、暮らしに関わるあらゆるものをデザインしています。
1960年に完成した”SAS ロイヤルホテル”はヤコブセンの総合的な才能が発揮された好例で、設計だけでなくインテリアデザインから家具、カトラリー、ドアノブに至るまで、あらゆるものを手掛けました。


セブンチェアが発表されたのは1955年。アントチェアの後継モデルとして誕生し、製造番号であった「SERIES SEVEN」からその名がついたそうですが、数字の「7」に似ているから等、その由来については諸説あります。
アントチェアは世界初の背座一体となる成形合板の椅子でしたが、改良の余地が残されており、そこでフォルムはよりシンプルで流動的に、サイズは一回り大きくして、造形も機能も完成されたのがこの1脚でした。


9層の成形合板から成るシートはもたれかかると適度なしなりが感じられる、柔らかな座り心地。
背座面の立体的な曲線は体のラインにフィットするようにデザインされており、まるで体を包み込むような感覚を味わえます。
また、重量はわずか4kgで移動も簡単。最大12脚までスタッキング可能なので、不要な時には省スペースで収納できる便利さも兼ね備えています。


今回入荷したタイプは杢目の表情を残したカラードアッシュ仕様の一脚。
静かに浮き上がる杢目とブラックカラーのシート。ベースのクロームカラーとの組み合わせにより、シックでモダンな印象に。
高級感のある佇まいで、北欧モダンに限らず様々なお部屋のテイストに馴染み、使用していくうちに変化していく色合いや杢目の浮き上がり方もお楽しみ頂ける一脚です。

大切にしたいと思うのは、物としての“美しさ”だけでなく、その物が長く使い続けられる価値を持っていること。
セブンチェアも、その美しさと機能性において、時代を超えて愛され続ける理由が詰まっています。
単なるデザインや家具にとどまらず、日々の暮らしに寄り添い、共に歩むパートナーとして、この椅子を迎え入れていただけたらと思います。











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