Fritz Hansen
B613 Superellipse
食卓を囲んでいると、気づくことがあります。
よく話す人もいれば、話さない人もいる。
いつも同じ席に座る人がいたり、なぜかいつも空いている席があったり。
誰かの性格だと思っていたことが、実はテーブルの形が原因だったとしたら。
人の気持ちを数式で表すことはできなくとも、人が自然と座りたくなる場所とか、人との心地いい距離は数学的に求められるかもしれない。
本日はそんな発想から、誕生したテーブルを紹介します。
数学と、人と人との距離

本日紹介するのは、北欧デンマークを代表する家具ブランド、Fritz Hansenの名作、B613、通称「スーパー楕円テーブル」です。
こちらのプロダクトは携わったデザイナーの一人で、数学者のピート・へインがストックホルムにあるセルゲル広場の交通計画で、円形交差点と長方形の中間形状を求めることがきっかけで誕生しました。

通常の角丸長方形よりも丸みがあり、楕円よりは四角っぽいスーパー楕円。
ロータリー交差点のデザインを皮切りに、建築を中心に現代のスカンジナビア建築の特徴となっていきました。
現在は様々なところでこの曲線が用いられており、実は、アプリのアイコンなどにも利用されていたりします。


こちらの固体は、非常に珍しいウッドレッグの仕様。
天板から脚部までブラックで統一された佇まいは、全体を引き締め、モダンな印象を与えます。
一方で、脚部の造形にはどこか古代の建築物を思わせる趣もあります。トーチのように先細りするシルエットは、古典的な柱のようでもありながら、立体的で有機的な曲線には現代建築にも通じる感覚を覚えました。

古典的でありながら、どこか未来的。決して奇抜なデザインではないのに、確かな個性がある。統一されたブラックの中から、洗練されたモダンな空気がにじみ出る一台です。
また、ブラックという色味は、ほかの家具とも合わせやすいのが魅力。今あるダイニングチェアをそのまま組み合わせても、テーブルが空間を引き締め、いつもの食卓にモダンな印象を加えてくれます。

テーブルの高さは約71cm。実際に座ってみると、一般的なシートハイ40cm前半の椅子と合わせやすい高さです。
テーブルを囲むとき、座る位置だけでなく、椅子との高さのバランスも居心地を左右するもの。見た目の美しさだけでなく、日々の食事や会話の場として無理なく使えることも、長く付き合う家具には欠かせないポイントです。

テーブルの幅は約180cm。4〜6人で囲める、ゆとりのあるサイズです。
スーパー楕円の特徴は、長方形のように角が張り出しておらず、かといって楕円ほど中央が膨らんでいないこと。緩やかな曲線によって、長辺に並んで座るだけでなく、端に近い位置にも自然と席を設けやすくなっています。
人数や座る位置に融通が利くので、いつもの食事から来客時まで、顔ぶれに合わせて柔軟に使えるのも魅力です。

数学者が計算して求めた最適なテーブル。
食卓で、いつもより会話が弾んで家族の新しい一面が見つかったり...
個人の性格だと思っていた問題は実は数学で解決できるのかもしれません。
北欧モダン家具の名作「スーパー楕円テーブル」は数学的に人との距離に対する一つの解を示してくれました。































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