Fritz Hansen
The ANT CHAIR
ニワトリが先かタマゴが先か論争になりそうな、アルネ・ヤコブセンデザインの名作チェア、セブンチェアとアントチェア。公式にはアントチェアという事ですがどちらが先でも双方ユニークでお洒落なチェアである事に間違えがないフリッツハンセン社から販売されたThe ANTのご紹介となります。テーブルに合わせてデザインされた当初は、3本脚でデザインされていました。後年に実用も兼ねて4本脚のアントチェアも販売されるようになりました。
70年もの間、親しまれ続けるデザイン
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1952年に発表されたアントチェア。その過程にはフリッツハンセンの高い技術力とデザイナーとメーカーの強い結びつきがあってこそ。以来、アルネ・ヤコブセンのほとんどのプロダクトはフリッツハンセンより販売され続ける事となります。
背座を一体化させるデザインは成形合板を用いる事でデザインを忠実に再現し、他に類を見ない愛くるしいチェアが出来上がります。これこそフリッツハンセンでなければ敵わない技術だったと言われています。
現在では、世界中で愛され6,000,000脚を越える台数が流通し、製品のチェックは出来上がった背座を無作為に抽出し、抽出された成形合板に500回以上も負荷をかけ製品の検査を行っているそうです。そういった事を踏まえると上代価格は決して安くはないとご理解頂けると思います。
カラーリングも並みの行程ではなく、色むらが出ないよう幾度も丁寧にペイントを重ね、杢目がうっすらと見えるカラードアッシュや今回のように杢目を見せないラッカー塗装などシーンに合わせて選べるように作られています。
また、機能性も優れておりスタッキングして保管できます。これはデザインの元の元をたどると頷けます。1952年に製薬会社の食堂椅子として納める為にデザインされており
使用しない時は重ねて置けるように考えられた為となります。重ねた状態でも美しさを損なわない優れたデザインです。
成形合板によるアリのようなディテールばかり注目されがちですが、しっかりと世の中のニーズに沿ったデザインである事が分かると、また一段とヤコブセンへのリスペクトやチェアの付加価値がご理解頂けると思います。アルネ・ヤコブセンの没後に4本脚が発売されましたが、それもライフスタイルや用途を加味して変化させたフリッツハンセンにしか成せない高次元でのデザイナーへの敬意だと思います。