France&Son
Model169 Senator
冬になると日照時間が極端に短くなり長い時間を家の中で過ごすことから、実用性と洗練されたデザインを併せ持つスタイルが編み出された北欧の家具たち。
木本来のナチュラルな温かみを伝えながらも洗練された無駄のないデザインでミッドセンチュリー期のデンマークを中心に開花し、誕生から70年近く経過した現在も未だ根強い人気を誇ります。
一生を共にする北欧デザイン
フィン・ユールやアルネ・ヴォッダーなど優れたデザイナーとの協働で知られ、北欧家具好きの方であれば聞き馴染みのある家具メーカー「フランス&サン France&Son」。
フランス&デバーコセン社として創業したのちにフランス&サン社へ改名、その後フランス&フランス社、カド社と名前を変えていましたが、現在では惜しくも廃業しています。
今回はそんな同社の黄金期とも言える時代に生まれた一脚のご紹介です。
こちらは同社のダニッシュモダンデザインが表れた「Model169 セネター Senator」イージーチェア。
丸みを帯びたフォルムとボリューム感のある造りから感じられる木のあたたかみが素朴ながらエレガントな味わいで、"上院議員"を意味する名前が付けられたのも納得の一脚です。
チーク無垢材をふんだんに使った北欧家具らしいナチュラルな風合いに加えて、腕の形状に合わせて曲線的にデザインされたアームなど、洗練された機能美と優美な造形を兼ね備えた一脚に仕上げられています。
デザインを手掛けたのは"オーレ・ヴァンシャー Ole Wanscher"。
レクリントで知られる"コーア・クリント"に師事し同氏のモダンデザインを受け継ぐとともに、古典的な家具作りを再解釈した手法でデンマークのデザインシーンを牽引し後の家具デザインに多大な影響を与えました。
"コロニアル"シリーズをはじめとした数々のプロダクトで高い評価を得るほか、その高い耐久性も特徴の一つとされています。
ウェービングテープを張ったフレームに加えてコイルスプリング入りのクッションを備えており、長時間の着座でも疲れにくい掛け心地となっているのも嬉しいポイント。
実際に座ってみると程よい弾力の背座に加えてアームから伝わるチーク材の上質な手触りが感じられ、木の温かみがやさしく身体にフィットしてくれます。
優美なフレームの造形と味わい深いのチーク材が魅力の「Model169 セネター Senator」イージーチェア。
簡潔なフォルムながら曲線的な造形のアームや背面のフレーム、がっしりとしたボリューム感のある背もたれなど、モダンなつくりの中に木の温かみをたっぷりと感じられる逸品です。