France & Son
Bwana Chair
フィン・ユールデザインの名作“Bwana chair”。
入荷は初めてだったので、実際に座ったり細部を見たり出来たのは本当に良い経験となりました。ご馳走様でした!
本日はこの素晴らしき椅子の魅力を皆様にお裾分け致します。
美しき北欧の名品
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元々、チーフテンチェアの量産モデルとして1962年に生み出されたとされるブワナチェアですが、現在ではチーフテンに並ぶクオリティの椅子として評価されています。
どこが量産型じゃいと思いますが、何よりも量産型ですらハイレベルな当時のモノづくりに注ぐパワーに感動。
(↑チーフテンチェア:SOLD)
製造はデンマークのFrance&son社。
1948年に創業するも業績が振るわず、1960年台後半にはデンマーク人デザイナー『ポール・カドヴィス』によって買収され“CADO(カド)”となります。
しかし、そのCADOも1970年以降情報はぱったり無くなり、その後の事業については不明…。
フィン・ユール、ピーター・ビッツ、グレーテ・ヤルク、オーレ・ヴァンシャー等、数多のデザイナーの中でも、特に造形が美しい家具をデザインした偉人達のプロダクトを製造していた一流の企業だった筈なのですが。
断定は出来ませんが、素晴らしいクラフトマンシップを持ちながらも、時代の潮流について行けず惜しくも消えていった日本の日田工芸、青林製作所等と似たような気配を感じます。
つまり、ブワナチェアは復刻もされていない為、ビンテージの1脚を手に入れる以外の入手方法は無いのです!
『家具の彫刻家』と称されるフィン・ユールですが、この椅子にもその造形美が散りばめられています。
三角形の笠木、丸いハンドグリップ、直線的なフレームラインと、様々な形状を持ちながらも纏りのある完成されたカタチ。きめ細やかな当時のチークも美しいです。
フレームだけでも素晴らしいですが、黒いジョイントを用いてシートに浮遊感を持たせたフィン・ユールらしい構造が、更に椅子としての美しさを引き上げています。
どの方向から見てもその『美しさ』は変わりません。椅子の枠を超えた芸術品のような佇まいが彼を『家具の彫刻家』と言わしめる所以でしょうか。
座り心地も最高の一言。
チーフテンチェアはシート幅も広くまさしく『王の椅子』という感覚で、『座る』というよりは『座らせられている』感覚が強かったですが、ブワナチェアは日本人の体型にもぴったりのサイズ感です。
自然と腕が乗る柔らかなアームに、背側に少し傾斜したシートが、身体を勝手にリラックスさせる姿勢に。
グリップの位置も絶妙で立ち座りの際の負担をサポートします。
名前の由来については諸説あり、『アフリカはブワナ族の長の椅子から』とか、『スワヒリ語で「主人」を意味し主の椅子と名付けられた』とか色々あるようですが、位の高い者が座る椅子をモチーフにしているのは確かでしょう。
今回やってきたブワナチェアは、専門業社によって丁寧に本革で張替えられているようで、フレーム、レザー共にメンテナンスされた物凄く良好な状態です。
金具はしっかりビンテージ。France&sonのメダルもバッチリ残ってます。
製造より60年近く経過しているにもかかわらず、ここまで良い状態で出会えたのは、大切に使われてきた証でしょう。
希少価値の高いビンテージ品をスタートから気持ち良く使えるなんて、嬉しいですよね。
巨匠 フィン・ユールの名作『ブワナチェア』。
是非とも色々な角度から見て頂きたい北欧の名品です。