PHANTOM HANDS
PH28
スイスの建築家、ピエール・ジャンヌレ。
近代建築の三大巨匠のひとりとして数えられえるル・コルビュジエの従兄弟であり重要なパートナーとして知られる同氏は、数多くの名デザインを手掛けました。
今回ご紹介させて頂くのは同氏の手掛けた名プロダクト。
PH28のご紹介です。
当時と変わらぬ手仕事と情熱
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同氏を代表する名作として知られるチェア、V-レッグ オフィスチェア。
独立後のインドの国家シンボルとして計画された、新州都チャンディガールの為にデザインされた一脚がこのチェアでした。
デザインは1950年代中期。
チーク材を用いた特徴的な造形のレッグと籐編みの背と座。
印象的なフォルムが放つ圧倒的な存在感が美しく、アイコン的な名チェアとして認知されています。
ル・コルビュジェと共に進めたチャンディガールプロジェクト。
ジャンヌレはインドに滞在し当時から現地に多く流通していたチーク材とラタンを用いたプロダクトデザインを手掛けました。
それらを組み上げるのは現地の手仕事。
公共家具に必要な強度と国内で一貫する職人による生産、良質な材からなる家具や建築はそのプロセスまで高く評価されています。
製造は圧倒的な職人技術、デザイン背景とジャンヌレに対するリスペクトを持ち高いクオリティのプロダクトを手掛けるインドの名工房、ファントム・ハンズ社。
当時と同じインドの手工芸に基づいた手作業による工芸家具として、当時の図面を元に丁寧に作られており、随所からオリジナルへのリスペクトを感じさせます。
リプロダクションするのは図面が残っているプロダクトのみ。
材と手法への強い拘りがジャンヌレのデザインに命を与えます。
粗悪なリプロダクトアイテムが蔓延する現代でファントム・ハンズ社は非常に稀有な存在と言えます。
主材はオリジナルにも使用されたミャンマー産のチーク材と築100年以上の建物に使われていた古材。
背と座の籐は職人が椅子に直接編みこんでおりデザインと製作工程のオリジナルへの忠実性が伺えます。
正確な手仕事と情熱は正しい一脚として完成されます。
ピエール・ジャンヌレに関するアーカイブは現在、カナダに拠点を置く建築研究センター、CCAで保存されているそう。
それらの写真、図面、ドキュメント等の貴重な資料は遺族により寄贈されたもの。
ファントム・ハンズは歴史の中に埋もれたジャンヌレの遺産を残す為、売り上げの一部を研究プロジェクトへの資金援助にあてています。
オリジナルへのリスペクトとそれらを残す為の未来に対する努力。
未来に残したい良いものには確りと理由があると感じさせてくれます。