Fanett chair
「用の美」という言葉があります。
1926年、日本ではじまった民藝運動から生まれた言葉です。
日常的に使われる生活道具には美しさが備わっている。
多くのデザインが現在進行形で生み出される中、用の美と呼べるデザインは果たしてどのくらい存在するのでしょうか。
気取らない競わない、生活の為のデザイン。
そして、その価値観を持つのは日本人だけではありません。
今回ご紹介するのは、「人々のためのデザイン」という哲学のもと作られた一脚です。
座る為のデザイン
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戦中戦後の厳しい環境のなか、民衆が本当に必要とする有効なものづくりを実直に目指したイルマリ・タピオヴァーラ。
20世紀の北欧フィンランドを代表するデザイナーの一人です。
生活と機能美を追求して生まれたデザインはあまりにも美しく、なぜか現代の暮らしにもすんなりと溶け込んでくれます。
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タピオヴァーラのデザインは今なお世界中の人々に愛され続け、数多くのデザイナーや建築家に影響を与え続けています。
今回ご紹介させて頂くのはそんな彼の代表作のひとつとして知られる一脚、「ファネットチェア」です。
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木材を多用しながらもユーモラスな造形で知られるタピオヴァーラ。
ファネットチェアも特有の丸みを帯びたフォルムが特長の一脚です。
ブラックの塗装とチーク材の艶やかな木色がポップさとモダンさを兼ね備えており、タピオヴァーラのデザインの中でも最も人気のある作品として知られています。
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特筆すべき特長はディティールにも。
背もたれのスポークは一本ごとに角度が変えられており着座時に背中を優しく包むように支えてくれます。
座面に注目すると円状のくぼみと緩やかなカーブが施されていることが分かります。
これが安定感のある座り心地を実現しており、見た目からは想像できないほどの深いホールド感を得られます。
デザインの良さから、座り心地まで。
機能美を追求したイルマリ・タピオヴァーラのデザインを象徴する一脚と言っても過言ではありません。
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特徴的な脚の丸みもタピオヴァーラらしさ溢れるポイント。
新しさを感じさせながらも懐かしさを感じるのはこの脚の造形にあるのかもしれません。
人々の暮らしに当たり前に溶け込み、当たり前に共存する伝統的なフィンランドデザインに着想を得た彼らしいデザインです。
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タピオヴァーラのデザインは再注目され、昨今数多くの作品が復刻されています。
先日紹介させて頂いたピルッカチェアもその一つ。
ですがファネットチェアは復刻されておらず残っている物はヴィンテージのみ。
時代や地域の差異を超え、今なお世界中の人々の心をつかむ名作の、そのものに触れて頂く事ができます。
実直さが生んだ名作のご紹介でした。
自由が丘店にて展示しておりますので、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さいませ。