PPM corporation
PM737 Open Shelf
近頃ありがたいことに岩倉榮利さんの作品を良く拝見させて頂いております。日本の伝統的な美意識とモダンデザインを融合させた、侘び寂びの美しさがありながら力強さ・迫力のあるプロダクトたちはどれも鮮明に記憶に残っています。
最近顔見知りになった同氏の作品がまた一つ入荷致しましたので紹介させて頂きます。
先を読み進めたくなるデザイン

1948年、福島県生まれの家具デザイナー「岩倉榮利(いわくらえいり)」。彼の一番の印象はロックストーンだと思いますが、今回のプロダクトはその前身ブランド「PPM(ピーピーエム・コーポレーション)」の作品。1970年からロックストーンの設立された1981年までの期間に発表されました。
独創的でアヴァンギャルドと和が調和した現在の「ロックストーン」と比べて、北欧モダンやミッドセンチュリーの影響を感じさせるのが「PPM」です。
あらゆるところで数々の作品を生み出してきた同氏の中では珍しい、「シェルフ」。特に今回のプロダクトは「PPM」時代のものでとても希少なアイテムです。

内閣総理大臣賞・「人間の目的遂行のためのものごと」を評価するグッドデザイン賞を少なくとも10件以上を獲得している岩倉榮利氏。
そんな彼が提唱した「生活デザイン」の思想がこの1台にも息づいています。
各棚板の間隔は33cm。大きめの本や花瓶はもちろん、A4用のファイルスタンドやファイルボックスもピッタリ入ります。

加えて、側板がないのも大きな魅力。存在感のある厚手の棚板を使用していながらも、圧迫感を削減。側面がないことで、横からも物を出し入れする事が可能。
また、ディスプレイしたものをあらゆる角度から美しく引き立てます。一般的なオープンシェルフ以上に、見せる収納として大いに活躍してくれる1台です。

単なる収納家具の枠を超えた、「芸術品」とも言えるのがこのシェルフの魅力。
インタビューで感性を磨く秘訣を「しいて言えば自然の中にいることが多いですね。”光”と”影”が創りだす陰影とか。」と答えています。
このシェルフはまさにその言葉を体現。


側板がないことに加えて、背面も幅42cmの板が2枚だけなので、光が横からも後ろからも様々な角度から入り込んできます。
更に、壁付けはもちろんですが、「間仕切り」としてお部屋の真ん中に置くのも計算されて造られています。
その部屋の間取りや光の入り方、ライトの当て方で自分だけの影のアートに。自分の部屋に於いたらどうなるかと考えるとそれだけでも楽しい…。


日本特有の美学「侘び寂び」には奥深さや美しさ、豊かさの他に不完全さや無常も意味します。
縦・横・背面の板が均一に並び、上下面さえ持たない開放的な構造。一見、整然と並んでいるようでいて、どこか未完成のような…。
引きで見たときにこれが小さな一つのパーツであるかのように、縦へ、横へと無限に連なっていく情景が目に浮かびます。どこまでも縦横の線が続いていきそうな、そんな続きが気になるデザインです。

祖師ヶ谷大蔵店にはシェルフの他にも同氏の作品がございます。初めて北欧テイストの家具にチャレンジした際の「マリリン Marylin IE-01 アームチェア」(グッドデザイン賞)。自身で設立した日本の伝統美とモダンが融合したプロダクトが特徴的なブランド「ロックストーン」から、「漆 URUSHI ダイニングテーブル」と「ボウセン BOWSEN ハイチェア」が現在も店内に並んでいます。
どれも榮利さんらしさに溢れていて、独自の世界観の味わえるアイテムです。2019年、71歳でこの世を去ってしまいましたが、こうして今も多くの人を魅了し続けています。
今回のロックストーン設立以前のブランド「PPM corporation」の短い期間の中で世に出たプロダクトは特に希少です。現物があるうちにぜひ祖師ヶ谷大蔵店へ。































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