Piet Mondrian
“Composition” Vintage Silk screen
こんにちは。祖師谷大蔵店の本日のブログでございます。私は某美大にてグラフィックデザインを学んでいた時期もあったのですが(残念ながら身にならなかったです…)日本で昔から愛され続けるグラフィックデザインは単調な形をシンプルに組み合わせたものだったり、現代において人気の高いイラストレーションも、鉛筆でサラサラっと描いたようなシンプルな絵や淡い色合いの水彩で描かれたような繊細な作品が多いように感じます。あくまで商業デザインならば特に取り扱いやすく伝わりやすいことが大事ですし、簡単な構成でも素人が考え付かないものだからこそ、その表現が評価されるわけですが…。私の好きなグラフィックは色彩が爆発しているようなごちゃごちゃしたカラフルなモノなんです。例えば横尾忠則とか、ピーター・マックスとか。なので、そういったシンプルな表現がどうにもしっくり来ないのですが、そんな私や、私の様に感じてくれる人をしっくりさせてくれるシルクスクリーンが入荷したのです!
“キュビズムの先”で構成する空間
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こちらの作品、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。タイトルは『赤・青・黄のコンポジション』。単純に『コンポジション』とも呼ばれています。コンポジション(Compostion)の意味は“構成”。なんというまっすぐなタイトル。こちらはシルクスクリーンですが、原作は1872年生まれのオランダの画家、ピエト・モンドリアン / Piet Mondrianによるもの 。モンドリアンが生まれてから約100年後の1980年頃に刷られたものです。
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本当にその名の通りシンプルな構成としかいえないですが、赤、青、黄のビビットカラーに白と黒の組み合わせは、カラフル好きな私の心にグッときました。色はもちろん好みですし、配置やアクセントとなる黒の直線の潔さのような、シンプルな純粋さに惹かれます。いかにしてこの世界観は生まれたのでしょうか?
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まずはキュビズムの解説を少々させて頂きます。現代ではリアルな絵も、それこそイラストレーションも、あらゆる絵画表現を私たちはすることが出来ますが、そんな表現にも“始まり”があるのです。20世紀初頭、それまで当たり前とされてきた遠近法などを用いたリアルな絵画表現は、写真が発展したことによって必要がなくなり、画家たちは描こうとしなくなりました。そんな中登場したのがキュビズムと言われる技法です。固定した一つの物体を一つの視点ではなく様々な角度から見たイメージで作り上げていく、という何とも革命的な技法です。あのピカソを含めた少人数の画家たちのキュビズムの活動はどんどん広がり、美術界にどんどん浸透していきました。結局どういう事?となる方は、ピカソの「泣く女」をググってみて下さい。見たらわかると思います。そもそも絵を描かない方々にとっては興味のないお話かと思いますが、こういった新しい表現を考え付くということがとってもすごいことなんです。美術界の大革命。
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さて、コンポジションの誕生のお話に戻ります。事の始まりは1911年、モンドリアンはアムステルダムにおける美術展にて、そんなキュビズム作品に大きく影響されたことから、キュビズム理論に従った絵画製作に取り組みました。その過程で抽象の世界へと踏み入ってしまうモンドリアンは、彼が考える「キュビズムの先」を目指すことになります。そんな抽象キュビズム脳のモンドリアンは様々な抽象表現を模索し、次第に作品は黒い直線と、その線に囲まれた様々な大きさの四角形の色面で構成されるように、さらには色面が赤、青、黄のみを使うようになり、『コンポジション』の作風が確立され、このシルクスクリーンの原画、『赤・青・黄のコンポジション』は誕生したのです。なんとも純粋に表現を突き詰めた結果ですね。こういったピュアな作品には心を打たれてしまいます。
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とはいえシンプルなこちらの作品。グッとはきたものの、やはりごちゃごちゃカラフルが好きな私にとっては、欲しいかと言われればそこまでは…というくらいです。ですが、気づいてしまいました。作品背景はもちろんとっても素敵ですが、実際に部屋にあったら、実用性の高いインテリアへと変化をしてくれるのです。ではそちらをご覧いただきましょう。
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いかがでしょう?というのも、この空間には様々なアイテムがあり、色が各所に散らばっております。もちろんそのままでも素敵ですが、『コンポジション』を置くことによってスッキリ見えませんか?モンドリアンがたどり着いた赤、青、黄の色面があることによって、色を取り入れやすくなり、白い画面の中の黒い直線がアクセントとなって空間を締めてくれています。シンプルな構成も、画面が大きいことでちょうどいい存在感となってくれています。
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祖師谷店一番のカラフルコーナーに置いてみました。とっても可愛い…。『コンポジション』があることでごちゃごちゃカラフルな空間から、モダンな空間へと進化しているように感じます。エッグチェアとの相性も素敵です。また、上記でも書かせて頂いたように散らばった色たちを締めてくれています。空間全体の個性を残しつつ、シンプルながらに主役になっているのではないでしょうか?
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もちろん、白い壁に飾れば『コンポジション』の世界にしっかりと浸れます。どんな空間にも馴染んでしまうシンプルさと、まとまりづらい空間をしっかりと絞めてくれる二面性は、芸術性だけでなく実用性も高い品物だという事を証明してくれています。
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モンドリアン自身の絵画表現の果てに誕生した『コンポジション』。偶然にも空間をきれいに構成してくれる素敵なインテリアへと変貌してくれました。グラフィックデザインと同じように、日頃様々な商品を取り扱うインプションでも、シンプルなデザインだったり素材を活かしたナチュラルデザインの家具は人気が高く、『コンポジション』の様に、そんなシンプルなモノには「構成力」があります。好みばかり言わずに、たまにはそういうモノも自分に取り入れてみようかなと思わせてくれるお品物でした。なんにせよ、絶対良いことしか起きないお品物。この機会に是非いかがでしょうか?