Kaare Klint
Safari Chair
一目見て、キャンプに使いたい!と思ったこのチェア。
オリーブグリーンの張地に、程良いビンテージ感。レザーの質感がマッチして醸し出される存在感は、川のほとりにあっても山の緑の中にあっても絶対にカッコいいと思いました。
そんな“ 自然が似合う ”という直感は、あながち間違っていなかったようです。
ワイルドでモダンなサファリ
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アフリカのサファリで撮影された写真に写った椅子にヒントを得て作られた「Safari Chair|サファリチェア」。
デザインを手掛けたのは、過去にとらわれない斬新で新しいものを生み出すモダン主義の時代に、「リデザイン(再構築)」を信念としたKaare Klint(コーア・クリント)です。
彼は「古代は我々よりももっとモダンである」と語り、ウェグナーやポール・ケアホルム、そしてボーエ・モーエンセンに至るまで、数多くのデザイナーに影響を与えた“ 北欧近代デザインの父 ”。(その影響についてもお話したいのですが、長くなってしまうのでまた別の機会に!)
初期の組立式家具といわれるこの椅子は、前述の写真に写っていたイギリスがインドを統治していた頃に考案された軍事用の椅子がルーツ。と聞くと、納得のミリタリー感です。
最大の特長は、どこでも使えるようノックダウン構造になっていること。ノックダウンって難しい言葉を使っていますが、要は組み立て式の椅子。ちなみに組み立てる時も解体するときも、工具は必要ありません(今回は解体した際の画像はございませんが、持ち運びも簡単なサイズになります)。
そして組み立て式であるにも関わらず、背もたれはリクライニング式。この構図、前にブログで書いた「LC1」とまったく同じです。
座り心地はというと、かなり良い。このひと言に尽きます。
座布団のようなクッションがふっくらとお尻を包み込み、ゆったり深く腰掛けられる。そして、リクライニングする背もたれが自分の背中に合わせて動いてくれる。
ただ、組み立て式ということもあって座るたびに「ギギッ」と音が鳴ります。一瞬焦りますが、男性スタッフが身を預けても大丈夫でしたのでご安心ください。
さらに、ひとつひとつのパーツも心がくすぐられるデザイン。ステッチも真鍮の留め具も刻印されたナンバリングも、すべてがチャームポイントに思えるほどです。
アームのレザーは少しだけひび割れて、色が落ちています。いわゆる経年の風合いが、光沢を増し心地いい柔らかさに。
味わいを増したレザーほどカッコいいものはありません。この渋さが、サファリチェアのワイルドさを引き立てているように思います。
ちなみに強度はというと、腕を預けるくらいならOKですが、立ち上がる時に全体重を載せるのは禁物です。優しく扱ってあげてくださいませ。
北欧近代デザインの父、コーアクリントがデザインした椅子。このチェアは、アウトドアの佇まいながらモダンな椅子。
実は刻印等が見当たらず、Rud Rasmussen(ルド・ラスムッセン)社かCarl Hansen & son(カール・ハンセン)社か、何社製のものかはっきりとは分かりません。ただ、ファブリックからベルトに至るまでオリジナルの希少な当時物であることは疑いのない事実です。
お部屋の中だけでなくベランダやテラスに、そしてキャンプにも。外へ持ち出すならサファリだけでなく、宇宙の果てまでも一緒に連れて行きたくなるかもしれません。(スターウォーズの面々と記念撮影してみました。不思議な組み合わせ?)