Herman Miller
Side Shell Chair 2nd
「墨に五彩あり」
なんでも、中国・唐時代の絵画史家、張彦遠(ちょうげんえん)の言葉なのだとか。
墨は、黒一色。
なのに、濃く滲めば漆黒に、水が多ければ灰色に、最後には白へと消えていく。
そして、墨と紙の境目にはにじみが生まれ、黒と白がぼんやりと混ざり合う。
そんな、「一色の中の陰影」が、本日紹介するシェルチェアと、ふと重なりました。
一色の中の陰影

こちらは、1950〜70年代に製造された2ndプロダクトのこのシェルチェア。
一見すると、かなりシンプルな一脚です。
しかし、ただ真っ黒というわけではなく、長い時間をかけて、ガラスファイバーが白く浮かび上がった艶やかな表情が非常に印象的です。
黒い塗装と、ぼんやりと浮かんだ白のファイバーが作る境界は、まるで墨のにじみのよう。

今では貴重となってしまったFRP製のシェルチェア。
FRPはもともと、軍需品のために開発されたものでした。
チャールズ&レイ・イームズ夫妻は、この素材を使うことでそれまで成形合板では難しかった、身体に沿う一体型のシェルを実現しました。
そうして1950年に生まれたのが、世界初の量産プラスチックチェアとして知られる、このシェルチェアです。

そして、この黒いエッフェルベースとの組み合わせも、この一脚の魅力です。
シェルも黒、脚も黒。
それでも重たく見えないのは、細いワイヤーの脚と、白く浮かび上がったファイバーのおかげでしょうか。

ダイニングやデスクの椅子として使うのはもちろん、サイドチェアとして部屋の片隅にポツンと1脚置いておくのもおすすめです。
黒色が空間を引き締めてくれつつも、細い脚部のおかげで圧迫感は少なめ。
何気なく置くだけでお部屋の印象を決定付けてくれる存在感があります。

「墨に五彩あり」
黒一色だからこそ、その中にある表情がよく見える。
艶のある黒に、白く浮かぶガラスファイバー。
光の当たり方によっても、少しずつ違った表情を見せてくれます。
黒だけど、黒だけじゃない。
そんなシェルチェアと、日々の暮らしを過ごしませんか。































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