Herman Miller

Side Shell Chair ~2rd Vintage Robins Egg Blue~

誰もが一度はそのワードを耳にしたことがあるであろう“ハーマンミラー Herman Miller”と“チャールズ＆レイ・イームズ Charles ＆ Ray Eames”。

インテリア好きの方は勿論、そうでない方でもそのプロダクトを見れば「見たことある！」という方もいらっしゃるのではないでしょうか？

本日はそんなチャールズ＆レイ・イームズ夫妻がデザインを手掛けた、名作チェアの希少なビンテージモデルをご紹介させて頂きます。

ビンテージにしかない魅力

今回ご紹介させて頂くのは名作“サイドシェルチェア Side Shell Chair”の2rdビンテージモデル。

ハーマンミラーとチャールズ＆レイ・イームズが手掛けたプロダクト、と言えば真っ先にこのサイドシェルチェアが思い浮かぶ人もそう少なくはないと思います。

他のビンテージシェルチェアには見られない特徴が沢山ありますので少しずつご紹介できたらと思います。

1950年より販売されたイームズのシェルチェアには年代別の特徴があり、それぞれの特徴から大きく分けて「1st・2nd・3rd」と3つに分けられています。

今回入荷したのは、1955～1970年代にかけて生産されていた「2ndビンテージ」と呼ばれるモデル。
豊富なカラーリングや脚部の仕様が存在し、ビンテージとしては比較的手が出しやすい価格帯で人気の高い時期となっています。

細かな年代は座面裏のシールやエンボスから特定することができ、今回は「HERMAN MILLER」の社名とロゴの「Mマーク」のエンボスが入っていることからまず1959-1989年のモデルと判別。

そして製造を行った“Cincinnati Milling Machine”社のStarタイプのエンボスが入っていることから、1958-1965年に製造されたモデルであることが分かります。

...と、ここだけではまだレアモデルと胸を張るには物足りなく感じますが、さらに細かな年代を調べるために、この可愛らしいカラーが重要になってくるのです。

さて、今回入荷したシェルは、1959～1971年という12年の間でしか製造されなかった通称「ロビンスエッグブルー Robins Egg Blue」と呼ばれる「ライトブルー Light Blue」のカラーの一枚。

「ロビンズエッグブルー」とは、イギリスの国鳥でもあるロビンズ（ヨーロッパコマドリ）の卵から名付けられた神秘的な色の名前。
世界的ジュエリーブランド「ティファニー」の箱の色（ティファニー・ブルー）の由来となったカラーでもあるそうです。

これだけでも希少なもののように思えますが、先ほどお伝えした座面裏のシールやエンボスなども合わせて製造年を割り出すと「1965～1971年」という僅か「6年間」のみ製造されたモデルであることが判明します。

年代によってシェルに含まれるガラスファイバーの量やマウントにも違いが見えてくるのも特徴的。

1stは当時高価だったプラスチックの使用をおさえるため、薄いシェルにグラスファイバーを多く使用。

2ndは1st同様に多くのファイバーが使われており、ベースを固定するマウントポジションがナローマウントポジション、ワイドマウントポジションと２種類、計8カ所のマウント接着位置がある特徴を持ちます。

3rdはマウントポジションがナローマウントポジションに統一され、グラスファイバーの量は1st・2ndに比べ大幅に削られており、経年で擦れた後の表情も他年代に比べて上品さが残ります。

ガラス繊維で強化したプラスチック「FRP」製シェルを使用しており、縦横無尽に走るキラキラとした繊維は模様のように表れ、ヴィンテージシェルならではの質感に。

豊富なファイバー量と高い耐久性をを持ち合わせており、一番ファイバー含有量が多いと言われる1st期と比較しても見劣りしない表情を持っています。

個人的に柔らかなカラーのシェルの場合にグラスファイバーが見えにくいな～と思うこともあるのですが、見る角度や陽に当たるとキラキラとファイバーが輝き、柔らかく爽やかなカラーと相まって静かにその存在感を放ちます。

レッグはシェルチェアの中で一番スタンダードなエッフェルベース。

クロームカラーのエッフェルベースと異なり、ブラックのベースと合わさると、コントラストがはっきりして、よりロビンスエッグブルーの良さを感じることができます。

どの年代も座り心地の良さに変わりは無く、三次元的な曲線が身体に沿い、見た目以上の柔らかな座り心地を実現。

コレクションとして飾っておくのも勿論良いですが、リビングシーン・ワークシーン問わずお使い頂けます。

一時期は再販売されていたFRP製のシェルチェアも現在はハーマンミラーからの販売が無く、必然的に希少価値の高まる事が予想されるビンテージのシェルチェア。

無数にある組み合わせの中から「お気に入り」に出会うのはなかなか至難の業。

是非この機会に希少なビンテージサイドシェルチェアを迎え入れてみてはいかがでしょうか？