Herman Miller
Eames Lounge Chair and Ottoman
ミッドセンチュリー期を代表する名デザイナー、チャールズ&レイ・イームズ夫妻。
数多くの名プロダクトを生み出した彼らのデザインは一夜にしてできるものではなく、時間をかけてはぐくまれるものでした。
イームズ夫妻の作品は時に本来の用途を超え、美しい作品のような佇まいを見せます。
本日ご紹介させていただくのはそんな二人の代表的作品。
モダンデザインの象徴とも称される名プロダクトを紹介させて頂きます。
終わりなき旅の途中、ふたりが残した歴史的名作
>>この商品の詳細を確認する
「デザインはより良い世界をつくるためにある。」
軽やかなデザイン哲学を持ち、機能性や合理性を備えたデザインを追求したイームズ夫妻。
使う側の身に寄り添いデザインを完成させるスタイルは多くの名プロダクトを生み出しました。
その一つが今回ご紹介させて頂く名作、イームズラウンジチェアとそのオットマンです。
既成概念に捉われない独自のデザイン哲学を掲げた2人。
当時一般では無かった素材を家具に用い、新たなプロダクトデザインを手掛けたのも彼らでした。
プライウッドで構成されたこのラウンジチェアもそのひとつ。
木製の家具が主流だった当時、成型合板(プライウッド)を家具の素材として使用するという事は一般的ではありませんでした。
建築資材として認知されていたプライウッドの自由度とコスト、大量生産性は彼らにとって重要な可能性でした。
幾度もの実験を重ね成型合板を椅子の形に近づける。
デザイン性だけでなく椅子としての機能性の両方を求めるチェアを作るという事は簡単ではありませんでした。
そして完成したのがプライウッド製の美しい造形を持った椅子、DCMやDCWでした。
この出来事はこれまでのデザイン業界に衝撃を与え、夫妻自身を次のステージへと誘ったようです。
現代生活のストレスから逃れるための特別な隠れ家。
チャールズは一塁手のミットのように温かく包み込むような外見のチェアを考案したそう。
リビングシーンにあったラウンジシーティングをよりモダンに美しく、そして心地よいものにしたい。
様々な素材とアイデアを駆使し名作を作り続けたふたりはこうして新たな名作、ラウンジチェアとオットマンを完成させます。
デビューは1956年。
アーリン・フランシスが司会を務めるNBCテレビの番組「ホーム」での紹介だったそう。
これまでにない形をもったチェアは全米中に衝撃を与えることになります。
その後イームズラウンジチェアはニューヨーク近代美術館(MoMA)やシカゴ美術館のパーマネントコレクションに選定。
ニューヨークにあるミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザインの特別展のテーマにもなり、モダンデザインの象徴として一世を風靡しました。
プライウッドの美しい杢目と洗練された造形。
レザーが叶える包容力。
ふたりが生んだ素晴らしいデザインは今日まで情熱をもって愛され続けています。
それは二人がデザインの終わりなき旅を歩み続けたことに理由があるようです。
一躍スターに上り詰めた二人はこのチェアを完成としませんでした。
環境に配慮できているか。心地を向上できないか。
デザインに対する継続した熱量こそがこのチェアに美しいデザインの本質を与え名作としたのかもしれません。