Herman Miller
Eames Aluminum Group Chair

ビンテージのハーマンミラーのシェルチェアから家具の世界に魅了された私ですが、正直なところ、ハーマンミラーのデスクチェアが「世界最高峰のオフィスチェア」と称される理由を、当初は知りませんでした。

けれど、一脚の椅子と出会ってその印象は一変します。

それが今回ご紹介する”イームズアルミナムグループ マネジメントチェア”です。

最高峰でミニマムな一脚

製造元はご存じ、アメリカを代表する家具メーカー ハーマンミラー（Herman Miller）社。
デザインを手がけたのは、モダンデザインの巨匠チャールズ＆レイ・イームズ夫妻です。

1958年の発表以来、60年以上経った今でも世界中のオフィスで愛され続けているこのチェアは、まさに「名作」という言葉がふさわしい存在です。

このシリーズが誕生したきっかけは「屋外用チェアの依頼」だったそうです。

建築家エーロ・サーリネンが、実業家J・アーウィン・ミラー邸を設計する際、イームズ夫妻に屋外用の椅子を依頼したのが始まりでした。
そのため、当初はアルミダイキャストとメッシュ素材で構成され、軽やかで耐久性の高いデザインが特徴だったのです。

まさかここから、最高峰オフィスチェアが誕生することになるとは、この柔軟な発想こそ、イームズデザインの真髄と言えるでしょう。

見た目は、まさにミニマルの極み。
余計な装飾を一切排したデザインながら、鋳造アルミニウムの滑らかなフレームラインはまるで彫刻のよう。
そこに組み合わされるブラックレザーのシートが、空間に圧倒的な存在感と高級感をもたらします。

シンプルなのに、どこか艶っぽく、時を経ても古びないデザインです。

このチェアの真価は、見た目だけにとどまりません。
座面はフレームに直接張り込まれた独自構造で、まるで宙に浮いているような軽やかな掛け心地。

張りがありつつも、身体の一点に負担が集中しない絶妙なバランスが保たれています。
一日中座っても疲れにくい、そんな快適さを実現しているのです。

もちろん、回転・昇降・キャスターといったオフィスチェアとしての機能も完備。
デザイン性と機能性、どちらも妥協しない姿勢こそが、世界中のオフィスで長年愛される理由です。

ブラックレザーとシルバーのアルミフレームという組み合わせは、モダンで洗練された印象。
オフィスでは知的な空気を、自宅ではインテリアの主役として存在感を放ちます。

ミニマルな空間やモノトーンコーディネートとの相性も抜群で、ワークスペースを格上げしてくれるでしょう。

長い年月を経ても色褪せず、むしろ時とともに味わいを増していく。
ハーマンミラーの「アルミナムグループ マネジメントチェア」は、まさに“機能美”という言葉を体現した名作。
仕事にも、暮らしにも、美しいデザインと快適さを求める方にこそふさわしい一脚です。