Herman Miller
Aeron chair
椅子といえばこうであるべき。
過去の名作や定番はイメージとして付き纏います。
本日紹介させて頂くのは人が使うためのデザインへの飽くなき探求と好奇心が生み出した名プロダクト。
従来のスタンダードを一新した名作でありデスクチェアの最高峰。
“ハーマンミラー / Herman Miller”の「アーロンチェア」をご紹介させて頂きます。
新しいスタンダード
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多くの名デザイナーを抱え今尚色褪せない名作を輩出し続ける、米ハーマンミラー社。
プラスチックやプライウッド等の新素材をいち早く用いシェルチェア等を筆頭に多くの名プロダクトを生み出しました。
そんなシェルチェアと共に定番とされるのが今回ご紹介させて頂くデスクチェア「アーロンチェア」です。
デザインを手掛けたのはビル・スタンフとドン・チャドウィック。
ワークチェアデザインを手掛けていた彼らが目指したのは健康に良く、多彩な機能を備え、多様なサイズに合う、環境に配慮したチェアの創作でした。
そして辿り着いたのが世界中の誰もが今まで見たことのないデザインのチェア。
それはデザインから素材、機能までもが全く新しいものでした。
これまでにない新しい点。
その一つに背と座のメッシュ状の素材「ペリクル」があります。
メッシュ製の座面と背もたれを持つワークチェアは今日、様々なシーンで見かけるようになりましたがこれを採用した最初のチェアはアーロンチェアだったそう。
これはワークチェアの研究開発をしていたチャドウィックの経験にきっかけがあります。
老人ホームを訪れる機会があったチャドウィックは長時間寝ている姿勢をとり続けることで起こる「床ずれ」に悩まされる入居者を目の当たりにします。
その問題を解決するために必要不可欠なのが通気だったそう。
チャドウィックはこれを元に長時間接触し続けた身体を確りと包み込みながら通気性を保つこの座面と背もたれを考案しました。
ハーマンミラー社のマーケティング部はこれに反対。
メッシュ素材を使ったワークチェアは当時、製品として世に存在しておらず、斬新すぎるというのが理由でした。
マーケティングは「本来のデザインのように重厚であるべきだと」本革張りの別デザインを提案したそう。
しかしハーマンミラーのCEOはデザイナーのデザイン通りメッシュ素材での発売を決定します。
ジョージ・ネルソンの教えに従いデザイナーの理念を優先したのです。
新たな定番が誕生した瞬間でした。
圧倒的な座り心地の良さからこのチェアはラテン語の Aero = 空気と名づけられます。
「多様なサイズに合う」点もアーロンチェアの特長。
本来家具にはサイズ展開は無くワンサイズ。
しかしアーロンチェアにはS・M・LのようにA・B・Cと3サイズで展開されています。
ヒトの体はそれぞれ違うもの。
全ての人に馴染むように計算し尽くされていることが分かります。
今回ご紹介させて頂くアーロンチェアはAサイズ。
日本人の体型では充分な大きさを誇り、身長173cmの男性が腰をかけても窮屈さは感じさせません。
また、Aサイズは他のサイズと比べデスクに収納しやすいところも利点となります。
進化を続けるアーロンチェア。
変化の激しいワークシーンでも不動の人気を誇る理由はデザインの良さと座り心地の良さの共存にもあります。
完璧なまでにも身体に寄り添う、飽くなき探求と好奇心が生み出した名プロダクト。
最高峰のデスクチェアのご紹介でした。