Herman Miller
Arm Shell Chair
まずはベースのデザインを決めて、それから色。そして脚部は使う場所や用途に合わせて選ぶ。
展開されているカラーが豊富で数えきれないほどの組み合わせがあるミッドセンチュリーのアイコン、シェルチェア。
今回は、サイドシェルもいいけどやっぱりアームシェルがいい。カラフルもいいけどやっぱりモノトーンがいい。という方におすすめの1脚です。
進化も変化も厭わない
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培ったプライウッドの技術に新風を吹かせた素材、FRP。このガラス繊維で補強したプラスチックの出現がもたらしたのは「大量生産」という新時代でした。
そんな一時代を築いた椅子、Charles & Ray Eames(チャールズ&レイ・イームズ)のシェルチェア。その歴史はもはや語りつくされたといっても過言ではありません。
でもこの椅子は、生まれた当初からさまざまに進化してきました。例えば、カラーやベースラインナップの増加、ショックマウントの改良、張地のオプション。
そして環境への配慮からファイバーグラス製のシェルは製造が中止され、今では100%リサイクル可能なポリプロピレン製のプラスチックチェアへと変貌を遂げています。
2人の願いは、最高のものを、最大多数の人に、最も安い価格で提供すること。
現行モデルのプラスチックの質感はなんだか物足りなく感じてしまう気もしますが、時代に合わせた変化を厭わないことこそがシェルチェアに与えられた本来の存在意義なのかもしれません。
このアームシェルは刻印から1974-82年に製造されたビンテージのFRP製シェルをベースに、実はいくつかの非オフィシャルな改良が加えられています。
ひとつはブラックのPVCレザーの張地。後年張替えがなされているようで、比較的良好なコンディションというのは嬉しいところです。
そしてもうひとつはマウント。もともと脚部がシェルに直付けされていたのですが、取付部が損傷していたため特殊な補修によりラバーマウント仕様に変更されています。
それに伴いベースにはキャッツクレイドルを採用。強度を保つための一番負荷のかかりづらい組み合わせで、もちろん実用にも問題はありません。
常に新しい素材を取り入れて椅子の歴史を開拓してきたイームズ夫妻のように、新しいバリエーションを受け入れてもなお愛され続けるシェルチェア。
この名プロダクトには、こうあるべきだという決められたルールはありません。
少しだけ手を加えたことでダメージという危機を乗り越え、また座ることができるようになったアームシェルチェア。
この組み合わせを気に入って長く愛用して頂ければ幸いです。