Herman Miller
Arm Shell Chair
時代を超越し愛される本物のデザイン。
シンプルな構造だからこそ、単なる家具を超え人々の心を捉える理由が存在します。
軽やかなデザイン哲学を持ち、機能性や合理性を備えたデザインを追求したイームズ夫妻。
本日ご紹介させて頂くのは、夫妻が手掛けた歴史的名チェアです。
永遠の構造美
ハーマンミラー社が手掛ける一脚、アームシェルチェア。
サイドシェルチェアとは異なり、肘のせがある事でよりゆったりとした座り心地を実現しました。
十分な強度と柔軟性、プロダクトとしての美しいかたちを持つこの椅子は現代においてもチェアのスタンダードとして愛され続けています。
特徴はFRP製の背と座一体型のシェル。
それらを確りと、且つ軽快に支えるスチールロッドのベース。
家具は木製が当たり前とされていた当時、FRP素材を使用したチェアは多くの人々に衝撃を与えたそう。
既成概念に捉われない独自のデザイン哲学を掲げた2人はコストや生産量を重きに置く時代を逆手に取り、FRP素材の自由度の高さにデザインを与えました。
強度を目指したガラス繊維による素材感と表情。
それらが放つ雰囲気は時代のアイコンとなり、今日まで素晴らしいデザインの一つとしてファンに愛され続けています。
使うごとに木製家具には出せない独特の風合いを生むその姿はまるでオブジェや美術作品とも称えられるほど。
時代の最新技術や時代背景をもデザインの一部に取り込んでしまう、恐るべきセンスと想像力を感じさせます。
今回入荷したのは、2ndビンテージと呼ばれる1955-70年代に生産されたすっぴんモデルと呼ばれる個体。
1956-59年に製造された、裏面にHerman Millerの文字やロゴが入っていないことからその名が付けられました。
落ち着いた風合いのパーチメントカラーは様々なスタイルに溶け込むナチュラルな佇まい。
合理性を考えたデザインによるシンプルな美しさは世界中の人々を魅了し続けています。
今尚圧倒的な存在感を放つシェルチェアは素材の特性を最大限に生かす方法を追求した彼らだからこそ実現できたのかもしれません。
そして使い込むほどに魅力を増す、時代に捉われない永遠性を持つ逸品です。