Herman Miller
Armshell Chair
1953年、Charles & Ray Eames(チャールズ&レイ・イームズ)によって生み出されたミッドセンチュリーを代表する不朽の名作「シェルチェア」。
木製のチェアが主流な時代に、プラスチックを使用して座り心地・デザインの幅を広げたアームシェルチェア・サイドシェルチェアが生まれました。シェルチェアは量産性に秀でた素材を使用したことで、世界で初めて大量生産されたプラスチックチェアとして破竹の勢いでその名は広まり、世界中で愛されるチェアに。
本日ご紹介させて頂くのは、数々のタイプの中でもこれぞシェルチェアと言える素敵な1脚でございます。
20世紀を代表する名作

こちらは、2nd期と呼ばれる1955~1970年頃に製造された一脚。
なんといってもガラス繊維をふんだんに用いたFRP製のシェルがたまりません。
繊維の入り方は様々で、2つとして同じ表情の個体は存在しない所も魅力のひとつです。
昨今では、環境問題の視点から、FRPは殆ど生産されず、現存するFRP製の個体は貴重な存在と言えるでしょう。


シェルの曲線は着座すると柔軟に体に沿い、見た目以上にしっくりとくる座り心地です。
人の身体にフィットする曲線があらかじめ成形されたシェルを使用しており、座るとお尻を心地よく包み込んでくれる曲線、後ろに体重をかけると素材の伸縮性によって軽くしなり、長時間でも快適に座っていられる工夫が施されています。

シェルは羊皮紙(ようひし)という意味合いを持つパーチメント。日本ではなじみが少ない羊皮紙は、ヨーロッパ等では歴史ある紙の一つ。字のとおり羊の皮をなめして削り作り出すそうです。
ほのかに黄味のある淡いカラーはニュートラルで落ち着きのあるお部屋作りにもピッタリです。

今回は、ミッドセンチュリーらしい温かみのある印象を与えてくれるダヴェルベースが組み合わさって、ナチュラルな雰囲気を楽しめる組み合わせになっています。

当時の最先端の技術でデザイン良し、座り心地良しなシェルチェア。それゆえに永く愛される。 いつまで経っても色褪せる事の無い、美しい作品のような佇まいを見せる一品です。
また、無数に組み合わせがあるからこそ、自身の琴線に触れた一脚に出会った時の喜びは計り知れません。 今回紹介したこちらが、誰かの琴線に触れる一脚だったら嬉しいです。











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