Knoll Studio
CESCA STOOL

本日は、1本のスチール製パイプで構成したカンチレバー構造が心地良い撓りを生み、浮遊感のあるソフトな座り心地を実現する、" ノルスタジオ Knoll Studio "のブロイヤーコレクション『 チェスカスツール / CESCA STOOL 』のご紹介♪

空気を奏でる銀光の屈曲

1938年創業のアメリカを代表する家具ブランド『ノール / Knoll』。チャールズ・ポロック、エーロ・サーリネン、ハリー・ベルトイア、マルセル・ブロイヤー等デザイン史を語る上で、欠かす事の出来ない著名なデザイナーによる多くの名作を輩出しています。

マルセル・ブロイヤーと云えば、それまでチェアデザインの主流だった4本脚という既成概念を崩し、当時の人々に衝撃を与えた彼の代表作「ワシリーチェア」が有名。あまりに前衛的であった為、最初は高い評価をされませんでしたが、バウハウスで親交の深かった芸術家ワシリー・カンディンスキーが高く評価した事により、その名が命名されました。（※ワシリーチェアとチェスカチェアは完売済みのお品物となります。）

その3年後の1928年に誕生したのがカンチレバー構造で作られた名作「チェスカチェア」。それは愛娘のフランチェスカから命名されました。ポリッシュドクローム仕上げが施されたスチールパイプは自転車の構造をヒントに誕生しました。

ラタン張りからクッションシート等、それら様々なバリエーションは、スチールパイプとの美しいコントラストを効かせ、どれも高い人気を集めています。そしてカンチレバー構造をそのままに脚部を長く伸ばしたデザインが、こちらの『 チェスカスツール / CESCA STOOL 』。バウハウス100周年を記念して作られたプロダクトです。

カンチレバー特有の撓りが着座の際の衝撃を吸収・分散。無機質で強靭な金属フレームを使用しながら、見た目の印象と相反する柔らかな着座を実現してくれます。

足元にはチェスカチェアには無い足置きがあり着座を快適に。後方の脚が無く、片側だけで座面を支える" 片持ち梁構造 "の特徴的なシルエットは、カウンターテーブルとあわせた時のバックスタイルが格別！モダンデザインの代表作と称されるチェスカシリーズの特徴がより強く感じられます。

背座のシートには" クヴァドラ / Kvadrat "社のファブリックを使用。チャコールグレー色の背もたれとブラック色の座面によるバイカラーの配色が、ワンランク上の都会的な空間演出を可能にしてくれます。でモダンな印象を高めています。

「最も有名な金属製チェア」の1つにも数えられる20世紀の名作。椅子は家具の種類の中で最も個性が強く、「名作が生まれやすい」と言われていますが、ダイニングチェアやソファと比べると、カウンターチェアはどこか控えめな印象。「名作は何？」と言われてもパッと思い浮かばないかもしれません。

しかしながらバウハウスを意識した空間演出や、デザイナーズ家具とコーディネートする拘りのお部屋には、カウンターチェアこそフォルムデザインが重要。間取りとしてその隅にあっても、遠目からでもその存在感を放ちます。

背もたれから座面、そして長い脚部へと繋がる銀色の一本線。「形は機能に従う」というバウハウスの理念に基づく機能的且つ無駄の無いデザインは、無機質なスチールパイプに命を吹き込みます。