Knoll Studio
SAARINEN COLLECTION ROUND TABLES
Knoll / ノルは、ハンス・ノルにより1938年にニューヨークで設立された世界的なファニチャーブランド。
「Knollの歴史は、近代デザイン運動の歴史そのものでもある」と言われるほどデザインに精通し、それを追究・体現し続け、世界的に有名な家具ブランドとして確固たる地位を確立しています。
ハンス・ノルとそのビジネスパートナーで妻でもあるフローレンス・ノルの親交から、ミース・ファン・デル・ローエやエーロ・サーリネン、ハリー・ベルトイア、マルセル・ブロイヤーなど、時代の先端をいく建築家やデザイナーとの画期的なコラボレーションを実現し、20世紀デザイン史に多大な影響を与えました。
シンボリックな名作
今回ご紹介するのは、そんな名だたる建築家やデザイナーの中から、Eero Saarinen / エーロ・サーリネンのプロダクト。
同氏は、アメリカで活躍したフィンランド人の建築家でありプロダクトデザイナーで、多くの建築物や家具デザインを手掛け、シンプルで印象的なアーチ状の構造を作品に取り入れることで知られています。
こちらは、従来の4本脚の椅子やテーブルの問題となっていた、テーブルの下が混乱状態になってしまう状況を解決するために、5年の研究を経て完成させた、ペデスタル構造(中央一本で支える台座)を用いた一本脚の自立する円形テーブル。同時期に生まれたチューリップチェアにちなんで、別名チューリップテーブルとも呼ばれ親しまれています。
有機的でなめらかな曲線を描く華奢な1本脚と美しいフォルムは、これまでの概念を覆し、今日において、産業的デザインの典型と考えられています。
昨今では、韓国系のファニチャーブランドがこのデザインを取り入れているので、若い世代の方でも馴染のあるフォルムではないでしょうか。
圧倒的な存在感がありながらも、その繊細な1本脚は、アルミダイキャストのホワイトマット塗装の脚が上品かつ優雅な佇まい。重い大理石をも支えることができ、完璧に計算し尽されたデザインは見飽きることがありません。
Knoll / ノルの代表的なプロダクトであり、ミッドセンチュリー家具のシンボリックな名作のテーブル。そんな家具が生活の中心にあれば、きっと華やかな時間を演出してくれることでしょう。